“弱小官庁”環境庁がんばる〜自工会と石油連盟の縁を取り持つ

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環境庁は日本自動車工業会と石油連盟に対して、自動車排ガスのSPM(浮遊粒子状物質)の低減のため、ディーゼル技術開発の促進と軽油中の硫黄分低減の技術開発を促進、両団体とも前向きに取り組む理解を得た。

自動車排ガスのうち、健康被害が大きいと言われるSPMの低減が緊急の課題となっており、尼崎公害訴訟の判決や都のDPF装着義務付けもSPMが問題となっている。

これまで、自動車業界はSPM低減には軽油の含有硫黄分を減らさなければ、自動車技術だけでは不可能と、石油業界に対策を促してきた。これに対して石油業界は硫黄低減には、新たに6000億円の設備投資が必要で、自動車技術で何とかするべきと主張、双方がいがみあってきた。ただ、EUでは2005年までに軽油中の硫黄分を50ppmにまで引き下げる規制強化が提案されており、石油業界が不利だった。

そこで環境庁が間を持ち、自動車業界には「軽油の含有硫黄も大事だが、技術開発を頑張って下さい」と言い、石油業界には「自動車技術進展による対策も大事だが、世界の潮流からいっても硫黄対策も大切」と両団体を諭して、了承を得た。

周辺からは「さすが日頃から、運輸省や通産省などの官庁の間を駆けずり回って意思統一を図っているだけある」と弱小官庁の環境庁の調整能力に賛意を送る声も。

《レスポンス編集部》

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