呉越同舟!? 運輸省と建設省がITS開発で協力するなんて

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運輸省と建設省は、自動車の安全走行を自動で支援する「スマートクルーズ21」を共同開発する。運輸省のASV(先進安全自動車)と建設省のAHS(走行支援道路システム)を統合したもので、ITS(高度道路情報システム)のひとつ。

来年10月に実証実験を行い、2003年から一部システムで実用化を目指す。省庁間の縄張り争いから、似たようなシステムを開発する行政の非効率が珍しく一体化する。

運輸省は自動車からレーダーを発して車の周辺状況を把握したり、道路から発する情報を受け取ってシステムASVを開発している。建設省は、道路自体がその状態を把握して、情報を発信する機能と情報を受ける車との双方向通信システムAHSを開発している。両方とも、道や自動車の状態を自動で感知して、ドライバーに危険を知らせたり、自動で制御する。

この似たようなシステムを「スマートクルーズ21」として共同開発する。両省は2000年10月に茨城県つくば市で実証実験を行う。実証実験では、2003年までに実用化を目指している7つのサービスについて評価・検証する。7つのサービスとは、前方障害物衝突防止支援、カーブ進入危険防止支援、車線逸脱防止、出会い頭衝突防止支援、右折衝突防止支援、横断歩道歩行者衝突防止支援、路面情報活用車間保持など支援。

実証実験では、国内外の研究機関や先端的な技術を持つ企業にも参加を呼び掛ける。2000年12月には、走行支援システムの公開デモンストレーションや国際ワークショップを開催して、走行支援システムを実際に体験してもらうとともに、技術交流を図り、国際標準化を推進を目指す。

ASVとAHSはこれまでシステムが似通っていたが、縦割り行政の弊害から、それぞれが主導権を握ろうと別々に開発してきた。しかし、建設、運輸は2001年1月から国土交通省となり、統合されるため、それを前に部分的に手を結び、ITSの早期実現を目指す。

ITSが省庁の縄張り争いをも超越する、国家の重大プロジェクトとなりつつあるという見方もできる。

《レスポンス編集部》

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