『パイロット・プレセダPP2』は日産『スカイライン』250GTプレミアムに履いてチェックした。タイヤサイズは215/55ZR17 94Wで空気圧は前後とも2.0である。
ハンドル応答性がシャープであるというのが最初の印象だ。もの凄くスポーティな印象であるが悪いクセはないのは大したものだ。切り始めのヨーの立ち上がりが過敏とか、動きがとんがっている感じはしないから扱いにくくはない。しかしキビキビした走りにはぴったり合う反応である。
これだけシャープな反応なのに応答遅れはなく、速い操舵でも舵角に比例したクルマの動きがあるからいい。
ワインディングロードでコーナーに向かってハンドルを切ったときにも、小さな舵角でスムーズにターンインしてくれるし、さらにまわり込んでいるコーナーでハンドルを切り足してもちゃんと追従してくれるから安心感が高い。シャープではあるがこんな場面でもハンドルさえ正確に押さえていられれば、ライントレース性能は高い。
高速走行時でもハンドルセンター付近の遊びは小さく、キビキビ感とライントレース性の正確さはキープされている。
グリップそのものは、ガツッというグリップの強さではないが、トレッド面が路面にうまく食ついてよく踏ん張る。タイヤの外側に荷重が掛かるようなハードなコーナリングでもトレッド面が負けないで粘り強いグリップを維持している。
危険回避のような急激なレーンチェンジを試みても、スパッと避けられ、かつ動きはスパッと収まる。単にグリップが強いだけでなく挙動変化がスムーズなのも、このタイヤの美点である。
乗り心地はトレッド面のたわみ感は小さいが、とがった衝撃や振動は室内に伝えてこないから快適性のレベルは高い。ブヨブヨしたソフトさはないものの、ダンピングがよく振動が残らないので、スポーティな乗り味といえるだろう。
ワインディングロードで飛ばしてもスキール音(限界付近で発生するキー音)は気にならず、パターンノイズもドライバーに聞こえてこないから快適だ。テスト車がセダンのせいか、ロードノイズもまったく気にならない。
乗り心地も静粛性もハイパフォーマンスタイヤなのに高いレベルに仕上がっている。パイロット・プレセダPP2は走っているときのスムーズさがいい。回転感が滑らかでとくに路面がフラットなときの乗り心地は秀逸だ。