DSオートモビルズは、新コンセプトカー『DS F3VER』をパリモーターショーで公開した。カスタマイズ性をデザインの核心に据えた、デザインの新たな方向性を示す「探求型コンセプトカー」と位置づける。
コンパクトなシルエットと存在感ある外観を両立し、ブランドの将来像を示すマニフェストとして開発された。設計・開発はDSオートモビルズが全て自社内で行った。
DSオートモビルズのCEO、グザビエ・シャルドン氏は「DS F3VERでは、デザイラビリティ(魅力)、パーソナライゼーション(個性化)、フリーダム(自由)という3つの柱をさらに押し進めた。従来のカテゴリーに縛られない、より独自性が高く、より魅力的で、より大胆なブランドビジョンを示すコンセプトだ」とコメントした。
◆コンパクトながら存在感のあるボディ
DS F3VERDS F3VERのボディサイズは全長4.19m、全幅1.84m、全高1.46m。ホイールベースは2.70mで、クラストップレベルの室内空間と安定性・快適性を実現している。ラゲッジスペースは400リットルで、上位セグメントに匹敵する容量を持つ。
フロントには、ブランドエンブレムを掲げた縦型の「トーテム」を配置。Y字型の縦型ライトシグネチャーが、テクノロジカルかつ印象的な表情を演出する。リアにも同様のトーテムを設け、マグネシウム製の超軽量構造に支えられた16枚のLEDパネルが奥行きのある光のトンネルを作り出す。この構造はパリのグラン・パレの丸天井からインスピレーションを得たという。
◆カスタマイズを「デザインの一要素」として昇華
DS F3VER
DS F3VERでは、カスタマイズ性をデザインの核心に据えている。専用開発された「コズミックブルー」のダイクロイック塗装は、光の当たり方によって鮮やかなブルーから深みのあるバイオレットへと色が変化する。
ツートーンの塗り分けラインはリアのライトまで延長され、テールゲートやサイド、バンパーを包み込む構成とした。これによりボディのボリューム感の見え方が変わり、コンパクトさが際立つ。
カスタマイズ可能なルーフリングも新たに採用。リアのトーテムにはUX(ユーザーエクスペリエンス)ライトアニメーションを組み込み、車両の表情をパーソナライズしたり、周囲の環境と直感的にインタラクションしたりする機能を持たせた。ホイールにはシャンパンカラーのチゼル加工と「クルー・ド・パリ」ギョシェ模様を施し、精緻さを表現している。
◆「デザインインテリジェンス」哲学とAI活用
DS F3VERDS F3VERは「デザインインテリジェンス」と呼ぶ新しい設計哲学に基づいて開発された。部品点数の削減、構造の軽量化、空力性能の最適化、そして純粋なサーフェスと目立たない組み付けによる品質感の向上を目指すアプローチだ。
具体的には、ヘッドランプとデイタイムランニングライトを一体化したフロントライトアッセンブリー、一体成形バンパー、ホイールアーチや下部ボディへの樹脂パーツの廃止などを実現した。
ステランティスが開発した最新世代のデジタルツールとAIソリューションもこのアプローチを支えている。AIはデザイナーの創造性を代替するものではなく、探求の幅を広げ、開発プロセスを加速するツールとして活用されている。
デザインディレクターのティエリー・メトロ氏は「DS F3VERは、カスタマイズに応えるデザイン、現行の基準を打ち破るフロントアイデンティティ、そして部品点数削減を目指す『デザインインテリジェンス』アプローチという新しい表現領域を探求している。このプロセスにより、開発の簡素化・加速と、品質感・ラインの純粋さの向上を両立できる」と述べた。







