自転車の安全利用促進委員会は、2026年9月21日から始まる「秋の全国交通安全運動」に合わせ、2025年に発生した中学生・高校生の通学時の自転車事故について調査・分析した。全国の事故件数は中学生が1688件、高校生が7081件となり、いずれも前年から増加した。
調査は、交通事故総合分析センター(ITARDA)が提供した2025年1~12月の事故データを使用。自転車の安全利用促進委員会メンバーで、日本シェアサイクル協会会長、自転車政策・計画推進機構理事長の古倉宗治氏が監修した。
◆全体減少の中、中高生の通学事故は増加
2025年の中学生の通学時自転車事故は1688件で、2024年の1654件から34件、2.1%増えた。高校生は6843件から7081件へ238件、3.5%増加した。
いっぽう、2025年の全国の自転車事故は6万7470件で、前年の6万7531件から61件、0.1%減少した。1975年以降の51年間では最少となった。全体の自転車事故が減少するいっぽう、中高生の通学時事故は増えており、同委員会は通学時の事故に焦点を当てた対策が必要としている。
都道府県別に中学生1万人当たりの通学時自転車事故件数を見ると、ワースト3は群馬県、徳島県、香川県の順だった。高校生は群馬県、静岡県、愛知県となった。同調査は2025年で12年目となり、群馬県は高校生の自転車事故で12年連続ワースト1位となった。ランキングは自転車事故件数が10件以下の県を除外している。
中学生の通学時1万人当たり事故件数ランキング◆事故の約2割で中高生が「第1当事者」
通学時の自転車事故では、中高生自身が事故の加害者となるケースもある。事故の第1当事者が自転車側、つまり通学中の中高生だった割合は、中学生が21.0%、高校生が21.8%だった。いずれも全体の約2割を占める。
都道府県別の中学生の第1当事者率は、栃木県が55.9%で最も高く、東京都52.1%、和歌山県46.7%と続いた。全国平均の21.0%を大きく上回る。高校生では東京都が55.3%で最も高く、栃木県43.7%、兵庫県37.7%だった。全国平均は21.8%となっている。
自転車通学では事故に遭うだけでなく、自ら事故を起こして相手を死傷させる可能性もある。加害者となった場合には、多額の損害賠償が必要となるケースもあるという。
高校生の通学時1万人当たり事故件数ランキング
◆事故相手の8割強が自動車
通学時の自転車事故の相手方は、中学生、高校生ともに8割強が自動車だった。同委員会は、通学時間帯と自動車の通勤時間帯が重なることも一つの原因とみており、特に出会い頭での自動車との衝突や接触に注意が必要としている。
ヘルメットの着用状況にも、中学生と高校生で大きな差が見られた。全国の事故時のヘルメット未着用率は中学生が28.8%、高校生が83.8%だった。高校生では8割以上がヘルメットを着用していなかった。高校生の事故時のヘルメット着用率を都道府県別に見ると、愛媛県が84.3%で最も高く、大分県77.8%、山口県69.2%と続いた。いっぽうで0%の県もあり、地域による差が大きい。
自転車乗用中の交通事故による死者の約6割は、頭部に致命傷を負っている。また、ヘルメットを着用していなかった人の致死率は、着用者の約2倍となっている。
◆「青切符」導入、自転車のルール順守が焦点に
2026年4月1日からは、自転車にも「交通反則通告制度」、いわゆる青切符が適用された。16歳以上の自転車運転者が対象で、信号無視や携帯電話を使用しながらの運転など、一定の交通違反が取り締まりの対象となっている。
高校生を中心に通学で自転車を利用する年代も制度の対象となることから、同委員会は交通ルールや安全な自転車利用を身につけるための指導が、これまで以上に重要になっているとしている。









