中国の建設機械大手Zoomlionは、2025年世界インテリジェント製造会議において、業界をリードするスマートファクトリー15社の一つとして初めて認定されたと発表した。
同社は、多様な建設機械向けの混流生産を共有化するブレークスルーを実現し、建設機械分野における協働型スマートファクトリークラスターの構築を可能にしている。柔軟性、スケール、自動化を組み合わせることにより、このモデルは業界のデジタルおよびインテリジェントな変革に向けた新たな標準を形成しつつある。
Zoomlionのインテリジェント製造における大きなブレークスルーは、少量多品種の重機を共有の複合フロー生産ラインで効率的に生産するという業界の重要な課題に取り組むもの。同社はスマートインダストリアルシティにおいて共有型スマート掘削機工場を構築し、世界初となる3つのマイルストーンを達成している。
Zoomlionは、6つの主要工程にわたる全プロセスのインテリジェント製造を実現し、100モデル超の混流生産ラインを稼働させ、複数の機種カテゴリにまたがる協働生産を統合した、世界初の企業となった。
この共有型製造モデルは、建設機械向けのモジュール化された高度に拡張可能なクラスターを支えるもの。相互運用性を前提に設計されており、主要な装備カテゴリにまたがり、数百の製造工程を連結している。3つの共有型製造センターにより複数工場間の統合を実現し、鋼板の利用率を90%超に引き上げ、建設コストを15%削減している。
自動化された物流により、保管をリアルタイム輸送に置き換え、在庫を70%削減し、精緻な配送を実現している。これに、地域をまたぐ研究開発プラットフォームと柔軟な共有型サプライチェーンモデルを組み合わせることで、Zoomlionは業界全体の効率向上とデジタル変革を促進する包括的なエコシステムを構築している。
Zoomlionの共有型インテリジェント製造モデルは、データとAIを原動力としたトップクラスの生産効率を実現している。同社の掘削機スマートファクトリーでは、AIが80%以上の工程をカバーし、段取り替え時間ゼロの自律型生産を可能にしている。
鋼板切断から最終組立までの全工程はわずか6.5日で完了し、6分ごとに1台の掘削機がラインオフしている。業界最短のタクトタイムと生産サイクルにより、この工場は販売動向に直結したカスタマイズ生産を支援し、在庫を大幅に削減するとともに、生産と需要の乖離を解消している。
このモデルの成功はすでに世界規模で拡大している。Zoomlionは、同社のインテリジェント生産システムを世界20以上の工場に展開しているほか、農業機械、エネルギー装備、緊急対応車両などの分野におけるイノベーションも実現している。AIやロボティクスの進展を基盤に、同社は一層の技術統合を図り、次世代プロセスのイノベーションを加速するとともに、産業を超えたグローバルパートナーとスマート製造モデルを共有していく計画だ。



