トーヨータイヤは、大型4軸低床トラック向けにオールウェザータイヤ「M630(エムロクサンマル)」を開発し、2026年1月より国内市場で発売する。価格はオープンで、発売サイズは245/70R19.5 136/134Jの1サイズとなっている。
2024年問題による労働時間規制やドライバー不足の深刻化により、物流業界では輸送効率の向上と車両稼働率の最大化が喫緊の課題となっている。さらに整備士不足によりメンテナンス業務の効率化も求められている。
大型4軸低床トラックは低床設計で積載容量が大きく、大量輸送に適した車両として物流で広く活躍している。一方で構造上、前方2軸目のタイヤに横方向の力がかかりやすく、ショルダー部の偏摩耗が進行しやすい傾向がある。この偏摩耗は走行寿命の短縮や交換頻度の増加を招き、整備負荷を高める要因となっている。
パターン設計
2軸目摩耗エネルギーの解析結果
M630ではショルダーブロック幅やトレッド幅を拡大した新パターンを採用し、ブロックの変形を効果的に抑制した。これにより交換サイクルの短期化を招く肩落ち摩耗を従来品「M646」比で61%低減、摩耗ライフが5%向上と、優れた耐偏摩耗性能を実現した。
また接地圧が集中しやすいセンターブロックを小型化し、これを高密度に配置することで接地圧を適切に分散し、耐摩耗性能を一段と向上させた。さらに同社独自のトラック・バス用タイヤ開発基盤技術「e-balance(イー・バランス)」を活用し、ブロック剛性を最適化。接地形状の安定化により転がり抵抗を約6%低減し、燃費効率にも配慮している。
M630は主要都市間の長距離輸送を担うフジトランスポート株式会社と偏摩耗対策を重視したタイヤコンセプトの企画および実運行データを活用した性能検証を共同で実施することで、大型4軸低床トラックの特性に最適な設計を実現している。また「SenoPro Trucks」のブランドロゴをタイヤのサイドウォール部に刻印している。SenoPro Trucksはフジトランスポートのグループ会社で、架装車の企画・設計・販売などを行なう。
トーヨータイヤが偏摩耗を61%低減した4軸低床トラック専用タイヤ「M630」発売へ








