資金ゼロ円でもOK!「サブウーファー出力」の“裏活用術”を指南[お金をかけずにサウンドアップ]

純正ドアスピーカーの取り付け位置の一例。
  • 純正ドアスピーカーの取り付け位置の一例。
  • 「サブウーファー出力」」が装備された市販メインユニットの一例(カロッツェリア・楽ナビ)。
  • 純正ツイーターの装着位置の一例。

カーオーディオの音を良くしたいと思っても、システムアップにはお金がかかる……。そう思って手も足も出なかったというのなら、当連載の各回の記事を大いに参考にしてほしい。ここでは予算のかかりにくいスペシャルな音質向上策を一つ一つ紹介している。

【画像全3枚】

◆「サブウーファー出力」が備わっていたらしめたもの。併せて搭載される機能を使うと…

これまでは、超基本的なサウンドチューニング機能を使って実行できるサウンドアップ術を解説してきたが、今回は「サブウーファー出力」の“裏ワザ”的な活用法を紹介する。

最初に、サブウーファー出力とは何なのかを説明しておこう。これはその名のとおり、サブウーファーを追加するときにそれに対して音楽信号を供給するためのアウトプットだ。

ただし、すべての「メインユニット」にこれが備わっているわけではない。市販品の場合には、中級以上のモデルでないと装備されていない場合が多い。これが備わっていれば、併せて「クロスオーバー」という機能も使えるようになる場合がほとんどで、しかもサブウーファーを接続していなくても当機能の使用が可能なケースも多い。そうであれば、しめたものだ。これを使っても音を良くできる。

「サブウーファー出力」」が装備された市販メインユニットの一例(カロッツェリア・楽ナビ)。「サブウーファー出力」」が装備された市販メインユニットの一例(カロッツェリア・楽ナビ)。

◆「ドアスピーカー」の下側の再生範囲を狭めると、音に効く!

では、クロスオーバー機能にてできることを説明していこう。これは、「ドアスピーカー」とサブウーファーに再生範囲の役割分担をさせる機能だ。そうすることで、同じ音が両方から聴こえなくなるため、音のズレが解消され、サウンドの一体感を出しやすくなる。

そして、もしもクロスオーバーを使えるのであれば、以下のような操作を試してみよう。まずはドアスピーカーの「カットオフ周波数」を決める。これは大体、60Hzから80Hzあたりに設定する。つまり、例えば60Hzに設定すると、ドアスピーカーからは60Hzより低い音が聴こえなくなる。

実際には、60Hzから下の帯域の音が完全に切り取られるわけではない。60Hzよりも低い音は音程が低くなるにつれて徐々に音量が小さくなる。この「音量が小さくなっていく率(減衰率)」のことは「スロープ」と呼ばれており、これも併せて選択する(選択できない場合もある)。

純正ツイーターの装着位置の一例。純正ツイーターの装着位置の一例。

◆「クロスオーバー」を活用すると、低音がすっきりして、かつビビリ音も減衰!

このような操作を行うと、低音がすっきりしてくるはずだ。なぜなら、ドアスピーカーは60Hzあたりよりも低い音をスムーズに鳴らせない。振動板の口径がそれほど大きくないため、物理的に超低音を出し切れない。しかし、小さな音量で濁った超低音を出してしまうこともある。そこで、クロスオーバーを使えば、その濁った超低音を聞こえなくできる。結果として、低音がすっきりと感じられるのだ。

ただし、低音をカットしすぎると、バスドラムの音やベースの低音域も聴こえにくくなるため、適度な設定に調整したい。カットオフ周波数とスロープを切り替えて、ベストなバランスを見つけ出そう。

また、ドア内部の鉄板が共振してビビリ音を発している場合も、クロスオーバーを使ってドアスピーカーの超低音をカットすることで、ビビリ音の発生を減らせることがある。可能であれば「デッドニング」を行うとビビリ音を消せるが、クロスオーバーでもその効果を高められる場合もある。試す価値は大いにある。

今回は以上だ。次回は、そのデッドニングのDIY施工について説明予定だ。乞うご期待。

《太田祥三》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

教えて!はじめてEV

特集