NearMe(ニアミー)が、国土交通省が進める「交通空白」解消に向けたパイロットプロジェクトとして、独自AI技術を活用した「ミッドナイトシャトル渋谷」「ミッドナイトシャトル三鷹」の運行を10月31日から順次開始する。
渋谷エリアは11月1日(土)から、三鷹エリアは10月31日(金)から運行を開始する。本サービスは、ニアミーの独自AIを用いた仕組みによって、深夜時間帯の移動課題に対応する施策として実施される。
国土交通省では、全国の「交通空白」解消など地域交通の「リ・デザイン」をさらに加速し、持続可能な地域交通を実現するため、連携・協働を軸とした地域交通DX推進プロジェクト「COMmmmONS」(コモンズ)が今年の6月から始動し地域交通の課題解決をデジタル活用により推進している。
その中で、本プロジェクトは、2025年度に国土交通省が実施する「リアルタイム相乗りタクシーマッチングシステム開発プロジェクト」として採用されたものである。独自AIを活用したニアミーの技術が評価され、国土交通省との共同プロジェクトとして推進されてきた。
本プロジェクトは、「交通空白」解消に向けたパイロットプロジェクトとしても位置付けられており、加速する人口減少・働き手不足の下で、地方創生の基盤である地域交通を守るため、従来の発想を超える持続可能な地域交通の「新しいカタチ」を官民で創出することを目的としている。
現在、日本各地では地域交通を取り巻く環境が大きく変化しており、公共交通機関のドライバー不足の影響で、終バスの運行時間見直しや夜間帯の移動手段が限られるケースが増えている。こうした背景から、地域住民の移動利便性をいかに確保・向上させるかが重要な課題となっている。特に、仕事や会食、イベントなどを終えた後の「終電以降のあと一駅分の移動」や、「深夜帯に公共交通が途切れる自宅までの移動」に関するニーズは根強く、タクシーの供給も限られるため、慢性的な移動の空白時間が生じている。
ニアミーは、2019年よりタクシーの相乗りで空港と周辺都市を結ぶ「エアポートシャトル」などのサービスを通じ、1台の車両を複数組で共有する「ライドプーリング」による効率的輸送の実現に取り組んできた。本サービスでは、国交省のリアルタイム相乗りタクシーマッチングシステム開発プロジェクトの一環としてニアミーが開発したシステムを用い、深夜帯の移動課題解決に挑む。
本プロジェクトは、「観光の足」そして「地域の足」を確保するため、また、需要ピーク時に効率的に対応する方法として、既存タクシーの1乗車当たりの人数を増やすことで供給量を増やす「相乗り」の価値を、地方自治体や運行事業者とともに広く伝えていくことを目的としている。
また、従来事前予約中心だったニアミーのシェア乗りサービスをリアルタイムマッチング可能なシステムに進化させることで、「すぐ乗れる」「もっと乗れる」相乗りタクシーを実現する。
この取り組みにより、深夜時間帯の移動を諦めがちだった利用者に新たな選択肢を提供し、駅や周辺エリアから安全・安心に帰宅できる手段を確保することで、地域交通の価値向上にも寄与する。
「ミッドナイトシャトル渋谷」「ミッドナイトシャトル三鷹」は、利用者が終電後も安心して移動できる環境を整え、地域や都心部の夜間交通需要に柔軟に対応するために実施する。渋谷エリアでの展開では、夜間需要が集中する駅周辺・繁華街を中心に運行することによって、タクシー不足や混雑による移動ストレス軽減を目的としている。また、三鷹エリアでの展開は、JR三鷹駅を起点として西、北、南の地域の方々が終電後でもスムーズに帰宅できる移動手段を提供していく。
両エリアとも、リアルタイム相乗りマッチングシステムを活用することで、直前予約でも複数の利用者を効率的に1台のタクシーにマッチング。これにより既存タクシー車両の輸送効率を高めつつ、利用者に「すぐ乗れる」「もっと乗れる」快適な移動手段を提供する。予約は専用サイトから可能で、料金は走行距離に応じて事前確定。複数人でのシェア乗りにより、通常のタクシーよりも手頃な価格で移動できる。



