毎年700台近いフランス車が集まる祭典、アロンフランセ車山2025が10月19日、車山高原(長野県茅野市)にて開催された。主催はAllons Francais Kurumayama事務局。

3回目を迎える今年は、天候が心配されたが幸いにも雨はほとんど降らず、穏やかな気温の中開催された。
今年の大きなテーマのひとつはシトロエンID/DS70周年だ。30台近いDSがエントリーし、本部テント前に集結。そこではちょっとした寸劇も行われた。ドライブ途中の“星の王子様”ご一行が乗る『DSプレステージュ』のリアタイヤがパンクしたという体で、そのタイヤ交換が実演されたのだ。
簡単に説明すると、リアフェンダーはボルト1本で固定されているので、それを外せばタイヤが丸ごと見えることになる。そして車高をいちばん上まで上げ、DS専用のリジッドジャッキをシャシーに噛ませた後、車高を落とせばタイヤは浮いた状態となるため交換が可能となるのだ。まさにハイドロニューマチックを備えるDSだからこそ出来る芸当だ。

主催者の一人は、過去DSオーナーだったこともあり、パンク修理の実演に関し、「こういったシーンはなかなか見られないので、皆さん興味を持って見ていただけたと思います。最近は初めてDSのオーナーになったという方も増えて来ています。我々は新車でDSを購入した先輩方からこういったことを教わって来ましたので、それを継承していこうという思いです」と語る。
そしてもうひとつ今回初の試みとしてフランス車のミニバンを特集し、ルノー『カングー』やシトロエン『ベルランゴ』をはじめ、プジョー『3008』などの新しいフランス車たちも40台近くが集合。新たな参加者の呼び込みも成功したようだ。
今回は他にもこれまで点在していたフリーマーケットをひとつのゾーンにすることで、買い物もしやすくなったようだ。
このイベントの最大の魅力はクルマだけでなく、人とのつながりが大きい。参加条件は新旧問わずフランス車という大きな括りだけなので、老若男女、リピーターから初参加までの多くの人たちが来場。偶々横に止まったことが縁で仲良くなって、また来年も会いましょうという関係ができて、1年後の”車山詣で”に繋がっていくのだ。「嬉しいのは長く続けてほしいといってもらえることです」と主催者が語るように、多くの来場者が来年も再び参加しようという思いを胸に帰路についていた。