ブリヂストンは7月15日に、スタッドレスタイヤの最新モデルである『BLIZZAK WZ-1(ブリザック ダブルゼットワン)』を発表した。
◆ブリヂストン・スタッドレスタイヤの歴史

ブリヂストンのスタッドレスタイヤの歴史は、1982年に発売された『ウインターラジアルW708』に始まる。1983年には「WT-02」および「WT-03」にモデルチェンジした。1986年にはホロニックWT-07およびWT-08となる。
そして1988年、ブリヂストンは新たに開発された発泡ゴムを採用したスタッドレスタイヤ「ブリザック」を発表した。以来、ブリヂストンのスタッドレスタイヤといえば「ブリザック」という歴史と実績を積み上げてきた。
1988年に発表されたブリザックは、「PM-10」および「PM-20」で構成されるPMシリーズであり、1992年の「PM-30」まで2世代が展開された。次いで1994年にはMZシリーズの「MZ-01」が登場し、これは2000年の「MZ-03」まで3世代続いた。
◆世代ごとの進化とネーミング

2003年には「REV-01」となり、2009年の「REV GZ」まで3世代が展開された。2013年には「VRX」が登場し、2021年に登場した「VRX3」まで、こちらも3世代にわたって継続している。そして今回、VRXからネーミングを大きく変更したWZ-1が登場した。
ブリザックWZ-1が従来製品と大きく異なるのは、「ENLITEN(エンライトン)」という商品設計基盤技術を用いて作られたことだ。「ENLITEN」を簡単に言うと、まず断トツの高性能を与え、その後必要なレベルに調整することで、グリップと乗り心地やドライ性能とアイス性能など、相反する性能を両立させる設計思想に基づいており、「ENLITEN」の理念を用いることで、バランスの取れた製品となる。
◆ブリザックWZ-1の注目技術と性能
さて、ブリザックWZ-1に採用された技術を紹介していく。

トレッドパターンには、「L字タンクサイプ」が採用された。L字タンクサイプはクローズタイプのサイプであり、氷上で接地面への水の侵入を抑制する。
ブリザックの基礎テクノロジーである「発泡ゴム」は、「親水性向上ポリマー」を配合した「Wコンタクト発泡ゴム」を搭載することで、ゴムの気泡による「水の除去」だけでなく、「親水性向上ポリマー」にわずかに残った水の分子間力により、滑る原因となっていた水をもグリップ力へと変換し、氷上でのグリップを向上させる。これらの技術により、従来品「ブリザックVRX3」と比較して氷上でのブレーキ制動距離を11%短縮し、氷上旋回時のラップタイムも4%短縮したという。

また、「レグノGR-X III」シリーズに搭載されているケースライン最適化技術を、ブリザック用にカスタマイズした「WZ Motion」ラインを適用して、接地を最適化し、タイヤ性能を高次元に発揮し、思い通りの走りを実現したそうだ。圧雪からシャーベットまで幅広い路面に対応するとともに、ウェットブレーキ性能を向上させ、ドライ路面での高い静粛性や乗り心地を提供するという。

ブリザックWZ-1では従来より採用されている「ロングステーブルポリマー」をさらに効果的に活用し、4年使用後でも従来品の新品時を超えるゴムの性能を維持することに成功し、タイヤを長く安全に使えることでサステナビリティに貢献するとともに、経済性も向上している。
ブリザックWZ-1は145/80R13から255/45R22まで多彩なサイズバリエーションを設定し、一部サイズを除いて2025年9月より販売を開始する。