『フィアット600』誕生70周年、伝説的デザイナーの功績を称える特別展がトリノで開幕

ダンテ・ジャコーザの功績を祝うフィアットの特別展示が開催
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  • フィアット600ムルティプラ
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  • フィアット500トポリーノ
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ステランティスのヘリテージ部門は、フィアットの伝説的デザイナー、ダンテ・ジャコーザの生誕120周年を記念した特別展示会をイタリアで開始した。トリノのミラフィオーリ工場内にあるヘリテージハブで2025年9月まで一般公開されている。

ジャコーザは40年以上にわたりフィアットのエンジニアリングとデザインを指揮し、20世紀を代表する自動車を数多く生み出した人物だ。技術的な独創性と機能的な優雅さを融合させた彼の作品は、イタリアのモータリゼーションに大きく貢献した。

ダンテ・ジャコーザダンテ・ジャコーザ

展示会では、ジャコーザがデザインした10台の象徴的な車両が展示されている。1936年に登場したフィアット『500』(トポリーノ)から、多目的車の先駆けとなった『600ムルティプラ』、そして革命的なフィアット『128』まで、彼の多彩な作品を見ることができる。

特に注目すべきは、今年で誕生70周年を迎えるフィアット600だ。戦後のイタリアのモータリゼーションを支えたこの車は、後部エンジン・後輪駆動という技術的・経済的ブレークスルーをもたらした。展示会では、600の原型となった非常に珍しい「プロトティーポ100」も公開されている。

フィアット600ムルティプラフィアット600ムルティプラ

ジャコーザは1905年にローマで生まれ、トリノ工科大学で機械工学を学んだ後、1928年にフィアットに入社。彼の設計した車は単なる移動手段を超え、技術革新と大衆の夢を形にした作品として今も高く評価されている。フィアット128は1970年の「カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、横置きエンジン・前輪駆動という、その後のコンパクトカーの世界標準となる構造を初めて量産車に採用した革命的な車だった。

この展示会を通じて、ステランティスは技術的精密さと人間主義的精神を兼ね備えた、自動車産業の枠を超えた影響を残したデザイナーに敬意を表している。

《森脇稔》

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