2025年1月10日に、千葉県の幕張メッセで開催された東京オートサロン2025。JAPAN MADEのスポーツシートメーカーとしてファンの多い「BRIDE」(ブリッド)が「EVANGELION RACING」(エヴァンゲリオンレーシング)とコラボレーションした3種類の新作シートを初披露する。レスポンス編集部では、一足早くその全貌を掴んだので最速レポートする。
「BRIDE」と「EVANGELION RACING」のコラボレーションモデル、TAS2025で実物が初登場

エヴァンゲリオンとは、未曽有の大災害「セカンドインパクト」の14年後の世界を舞台に、巨大な人型決戦兵器に乗る少年少女と、謎の敵“使徒”との戦いを通じ、人の心、人と人との関係、そして人の成り立ちの根幹にまで迫った物語。1995年のTVシリーズ初回放送から30周年を迎える今に至っても色あせず、性別や世代、国境を越えて、次々に新しいファンが誕生している。
そんなエヴァンゲリオンの世界観は2010年の「エヴァンゲリオンレーシング」発足により、リアルモータースポーツの世界へと進出。アニメの世界観とリアルなモータースポーツが融合したエヴァンゲリオンレーシングは、エヴァンゲリオンの各機体のカラーリングを模したマシンにて15年間に渡りレースに参戦。その歴史をバックグラウンドにレースイメージに合うコンペティブな商品をはじめ、一般のライダーやドライバーに向けたマテリアル類、そしてレースファンに向けたコレクションアイテムまで様々なアイテムを展開している
そんなエヴァンゲリオンレーシングへ、長年シートを供給しているブリッド。相思相愛のパートナーとなったことで、今回のコラボレーションが実現した。ブリッドは愛知県東海市に本社を置く、1981年に設立した自動車レーシングスポーツを核としたスペシャルカーシートの専門メーカー。 スポーツシートの新たな価値観の創造をビジョンとし、より快適で、より楽しく、より安全にドライビングするための製品提供を目的に、毎年多様な新製品を世に送り出している。

今回のコラボレーションモデルは、ブリッドのロングセラーモデルのフルバケットシート「ZETA」(ジータ)シリーズの4世代目となる「ZETAⅣ」(ジータフォー)がベースとなる。ジータシリーズは1990年に初代モデルの発売以来、好評を博してきたフルバケットシートの定番モデル。
日本人の体型、骨格に合わせ、一般道からサーキット走行、各種モータースポーツなど、あらゆるシーンでの使用用途、ドライバーの安全を考えてチューニングされたレーシングコンフォートモデルがジータシリーズだ。
ジータIVはブリッドの特許技術「LOW MAXシステム」を採用、通常設計では取付けが困難であった「シートセンター=ハンドルセンター」をより多くの車種で実現した。ショルダー寸法が560mmに抑えられており、これにより車内がタイトな車でも内張りの干渉を抑えることに成功した。多くの車種に取付け可能で、カテゴリーを問わず街乗りからサーキットまで幅広いシチュエーションで使用可能なシートへと仕立てられている。
ジータIVをベースに専用デザインで世界観を落とし込む、華やかなシートの裏にブリッドの職人技が宿る

はじめてフルバケットシートを購入するユーザーにも、自信をもっておすすめできるスペックだ。このジータIVをベースに今回のコラボレーションシート「ZETAⅣ REIMS EVA R MODEL01/02/00」が生まれた。
それぞれ各機体のイメージカラーに合わせ、専用にデザインされたシートトリムをまといユーザーの元に届けられる。アニメに加え「エヴァンゲリオンレーシング」のモータースポーツでのイメージのそれぞれがバランス良く落とし込まれた本製品は「エヴァンゲリオン」のファンのみならずモータースポーツ好きにも刺さるだろう。

「ZETAⅣ REIMS EVA R MODEL01」は、「エヴァンゲリオン初号機」の機体カラー/主人公「碇シンジ」が操る機体のイメージが落とし込まれ紫/黃緑のカラー仕上げ。
「ZETAⅣ REIMS EVA R MODEL02」は、「エヴァンゲリオン2号機」と呼ばれる機体のカラー/2人のヒロイン「式波・アスカ・ラングレー」「真希波・マリ・イラストリアス」が操る機体のイメージ/赤、白のカラー仕上げ
「ZETAⅣ REIMS EVA R MODEL00」は、「エヴァンゲリオン零号機」と呼ばれる機体のカラー/ヒロインの「綾波レイ」が操る機体のイメージ/山吹色、白のカラー仕上げ。

各モデルにイメージがあり、そのカラーリングが表現されているのが最大の特徴だ。シートトリムも「EVA R」モデル専用のデザインとなっており、この裁断パターン(意匠線)は、このために1から見直し「EVA R」の完成度を高いレベルへと引き上げた。これも職人の技術にこだわってシートを製造し続けてきた、ブリッドならではの職人技が生かされている。

通常ブリッドのシートでは、しばしばダブルステッチを入れて引き締まったイメージを演出するが、「EVA R」モデルはパイピングを採用した。生地と生地の間に別の生地を一緒に縫製する必要があり、通常モデルではあまり見慣れない手法だ。これもデザイン優先のために、今回のコラボを印象づけるのに一役買っているだろう。

このパイピングの採用で「エヴァンゲリオン」の機体のイメージに合わせたアクセントが加えられたことで、オリジナル性が際立っている。今回の商品化には幾度となく試作品を作って試行錯誤を繰り返し、「BRIDE」「EVA R」と両者の意見を取り入れた。作品の世界観を壊すことなく、商品としての良さを引き出すのに切磋琢磨し、ようやく商品化に漕ぎつけたのだ。設計、デザイン、仕上げとたくさんの拘りが詰まったアイテムといえる。
モータースポーツを長年続けてきたからこそできた本格派のスペック、クルマ以外でもぜひ使ってみてほしい

このシートの良さをぜひその目で見て・触れてほしい、ブリッドの職人の技が光っているのが感じられるだろう。車での使用はもちろんのこと、自宅でのワークチェアとしての使用、座椅子としての使用もアフターパーツを使えば対応可能なのもポイントが高い。
ブリッドのシートといえば、まずは車での使用がイメージしやすい。「EVA R」はカラフルな色合いでコレクターズアイテムとして印象をもたれるかと思うが、ブリッドが得意とするスポーツ走行での使用も想定されていると言うことを念押ししておく。

端的に説明すると、肩口のベルトホールの開口が広く取られており4点式以上のハーネスを使用しても肩が適正の位置にくるようになる。ヘッドレスト部も深くなっているため、「HANS」(ハンス)デバイスの使用も想定している。

シェルはFRPながら、高い剛性を実現した。これも上述のとおりブリッドが培ったノウハウと職人技によって進化し続けている。モータースポーツからのフィードバックにより、「ZETAⅣ」はフルバケットシートの定番ながら、高いホールド性によりしっかりと身体を支えてくれる。これによりサーキットでの走行を普段から行っている本格派も導入しやすい。

これは「エヴァンゲリオンレーシング」のモータースポーツ活動にも通じるものがある。普段使いの面では4名乗車以上の車だと乗員保護の観点から背面を覆う「シートバックプロテクター」が必要になるケースがほとんどだが、「EVA R」モデルは初めから背面を覆っている為、別途用意する必要がない。
純正シートからのステップアップでシートを変えようと考えていたユーザーにとっては、導入しやすいのではないだろうか。コレクターズアイテムとして、普段使いの相棒として「EVA R」モデルを選択してもらえると嬉しいかぎりだ。
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