アウディスポーツ、高性能EV『e-tron GT』の生産に3Dプリント…蘭アルティメーカーの技術活用

アウディスポーツが『e-tron GT』を生産するドイツ・ベーリンガーホフ工場に3Dプリント技術を導入
  • アウディスポーツが『e-tron GT』を生産するドイツ・ベーリンガーホフ工場に3Dプリント技術を導入
  • アウディスポーツが『e-tron GT』を生産するドイツ・ベーリンガーホフ工場に3Dプリント技術を導入
  • アウディスポーツが『e-tron GT』を生産するドイツ・ベーリンガーホフ工場に3Dプリント技術を導入

アウディスポーツは、高性能EVのアウディ『e-tron GT』の生産に際し、ドイツ・ベーリンガーホフ工場に3Dプリント技術を導入した。3Dプリント技術を手がけるオランダのアルティメーカーが、6月12日に発表した。

同工場では生産開始に際して、約200種類の新しいツール、治具、固定具を迅速に必要とした。これらのツールの設計には多くの時間がかかり、外部委託すると数週間から数か月を要することがある。ここで設計自動化と3Dプリントが、アウディスポーツにとって最適なワークフローを提供した。

同工場は、高性能車であるアウディ『R8』と完全電動のe-tron GTの生産を行う施設。生産ラインはドイツの効率性を象徴しており、ロボット化されたプラットフォームに載せられた車体がトップレールに取り付けられ、各ステーションで注文に応じた部品が取り付けられる。ほとんど同じ車が並ぶことはない。

各ステーションでは、部品を組み立てて車に取り付けるための時間が限られているため、最適化された効率的なワークフローが重要。カスタムツール、治具、固定具は、作業を迅速かつ容易にし、作業者のエルゴノミクスを向上させる上で大きな役割を果たす。

例えば、部品の取り付け時に位置合わせを助けるカスタムツールがあり、これにより最終製品の一貫性と品質が向上し、車ごとに数分の時間を節約できる。品質管理ツールは、すべての車がアウディの高い基準を満たしていることを確認する。例えば、ヘッドアップディスプレイ(HUD)の焦点を合わせるためのカスタム治具があり、レーザーを使用して反射ガラスの正しい取り付けを確認する。

e-tron GTの生産時には、約200種類のツール、治具、固定具を迅速に作成する必要があった。これらのツールの設計には時間と専門知識が必要であり、正確で使いやすく、製造しやすいものでなければならない。ここで役立ったのが、trinckle社のFixturemateソフトウェア。Fixturemateは、組み立て用の治具を作成するためのソフトウェアで、部品をインポートして適切な角度に設定し、ベースプレートやサポートが必要な場所、デスクに取り付けるための穴を追加することで治具を作成する。従来のCADソフトウェアでは数時間かかる設計が、Fixturemateでは10~20分で完了する。

さらに、アウディスポーツは3Dプリントを活用して、迅速かつ低コストでツールを製造している。Ultimaker S5などのプリンターを使用することで、ツールを1日で製造し、コストを削減できる。要件を満たさない場合でも、すぐに改良して再プリントすることが可能だ。

このようにして、アウディスポーツは3Dプリント技術を活用し、生産効率と品質を向上させることに成功した、としている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集