ビークルダイナミクスからパワートレイン、ADASなど、さまざまな階層と領域のシミュレーターを手がけるIPGオートモーティブ。乗用車のみならずトラックや二輪車に至るまでリアルタイムシミュレーションの範囲は広がっているが、人とくるまのテクノロジー2023では乗用車・小型車の開発&テストツールで、最新のアップデートが施されたばかりの「CarMaker12」を披露した。可視化、テスト自動化、データ解析のためのツールを充実させ、開発の初期段階からバーチャルプロトタイプの構築を可能にし、自動化された再現性の高いテストを行うことができる。

具体的な新機能としては、3D可視化ツールの背景に、英国の高速道路やサンフランシスコの街路、並木の郊外路といった背景が加えられたほか、OEM各社の多様化するシナリオに対応するため、オープンシナリオの定義に対応したコンバータをアドオンでリリースした。他にも詳細モデルが充実。従来はパワートレイン別にEVやPHEVといったデフォルトのモデルを規定したところを、コンポーネントを自由に組み合わせて設定でき、バーチャルプロトとして走らせられるようになった。またバッテリーについては温度も考慮され、夏と冬で電力消費が異なる状況もシミュレート可能とした。