JR北海道が「黄線区」改善へ向けた調査・実証…バスと連携、観光線区を利用拡大 6月以降

ラベンダー畑駅に停車する『富良野・美瑛ノロッコ号』。同駅は開業した1999年6月からしばらくは普通列車が停車したことがあった。2014年7月29日。
  • ラベンダー畑駅に停車する『富良野・美瑛ノロッコ号』。同駅は開業した1999年6月からしばらくは普通列車が停車したことがあった。2014年7月29日。
  • 花咲線を行くキハ54の普通列車。8月には増結を行なう。
  • 『フラノラベンダーエクスプレス』に充当されるキハ261系5000番台「ラベンダー編成」。7月の土休日には富良野線へ乗り入れる。
  • 鉄道・バス共通時刻表のイメージ(釧網本線下りの例)。ただし、駅によってはバスの停留場がかなり離れている場合もあり、乗継ぎには注意が必要だ。

JR北海道は5月17日、輸送密度が200人以上2000人未満のいわゆる「黄線区」を対象に調査・実証事業を行なうと発表した。

同社では、釧網本線(東釧路~網走)、根室本線(滝川~富良野・釧路~根室)、石北本線(新旭川~網走)、宗谷本線(旭川~稚内)、富良野線(富良野~旭川)、室蘭本線(苫小牧~岩見沢)、日高本線(苫小牧~鵡川)の「黄線区」に対して、2023年度に「総括的な検証」と「事業の抜本的な改善方策の検討」を行なう方針で、6月以降にそのための調査事業や実証事業を地域と協働して進めていくとしている。

具体的には、各線区で公共交通の利用実態調査を行なうほか、鉄道と並行するバスの時刻が併記された共通時刻表を配布・掲示する。

鉄道・バス共通時刻表のイメージ(釧網本線下りの例)。ただし、駅によってはバスの停留場がかなり離れている場合もあり、乗継ぎには注意が必要だ。鉄道・バス共通時刻表のイメージ(釧網本線下りの例)。ただし、駅によってはバスの停留場がかなり離れている場合もあり、乗継ぎには注意が必要だ。

また、観光色が強い線区における利用拡大策も実施され、釧網本線ではオフシーズンとなる10月に「ノロッコ号」の実証運行を、根室本線釧路~根室間の花咲線では8月に海側の座席を指定席とした列車の実証運行をそれぞれ行なう。

花咲線を行くキハ54の普通列車。8月には増結を行なう。花咲線を行くキハ54の普通列車。8月には増結を行なう。

富良野線では札幌~富良野間で運行される臨時特急『フラノラベンダーエクスプレス』を7月の土休日に線内へ延長運行するとともに、7月15~23日には中富良野町内にある臨時駅・ラベンダー畑駅に一部の普通列車や快速列車を停車させるとしている。

『フラノラベンダーエクスプレス』に充当されるキハ261系5000番台「ラベンダー編成」。7月の土休日には富良野線へ乗り入れる。『フラノラベンダーエクスプレス』に充当されるキハ261系5000番台「ラベンダー編成」。7月の土休日には富良野線へ乗り入れる。

このほか、オホーツク管内では、JR利用者を対象にした管内バスのフリー切符を購入しやすくする取組や、札幌~北見・網走間の都市間高速バスの片道利用をしやすくする取組を実施。

日高本線では土休日に利用できるフリー切符「一日散歩きっぷ」の利用者が7~9月に沿線のバスを利用できるようにする取組を、花咲線・落石(おちいし)~根室間では2024年3月まで通院・通学を対象にした高校・病院直通バスの実証運行を実施する。

《佐藤正樹》

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