JR北海道は4月14日、函館本線・倶知安駅(北海道倶知安町)構内の一部から土壌汚染対策法の基準値を上回る鉛が検出されたことを明らかにした。
同駅周辺は、北海道新幹線札幌延伸へ向けた高架橋工事が行なわれることになっており、整備主体である独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)は自主的に土壌の調査を行なっていた。
その結果、倶知安駅構内の南側(倶知安町南3条西4丁目2番1)の一部土壌(面積112.5平方m)で、鉛の含有量が基準値(150mg/kg)から10~40mg/kg多いことが判明したという。ただし、雨水や地下水などと接触した際にどの程度の有害物質が溶け出すのかを示す溶出量は、基準値を0.01mg/L下回る0.001mg/Lとなっていた。
北海道新幹線倶知安駅高架の平面図。汚染土壌は倶知安駅構内の南側(地図上の倶知安駅の左手)で発見された模様。この結果を受けて、当該用地は北海道から4月14日付けで土壌汚染対策法に基づく「形質変更時要届出区域」に指定された。
形質変更時要届出区域とは、健康被害が生じる、または生じる怖れはないものの、宅地造成や掘削、開墾などを意味する「形質の変更」を行なう場合は、汚染の拡散を防ぐため都道府県知事に届け出なければならない地域のことで、都道府県知事は届出を受けて施工状況を確認し、指定の継続または解除を行なうとされていることから、今後、高架橋の施工には北海道知事への届出が必要になる模様。
この件についてJR北海道では、高架橋の施工は鉄道・運輸機構が行なうとしながらも、「今後、汚染された土壌が土壌汚染対策法に基づき適切に取り扱われ、工事が進められていくことを確認してまいります」としている。