空の大量旅客輸送時代を切り開いたジャンボジェット、ボーイング『747』の生産が終了した。最後の機体が1月31日、米ワシントン州のエバレット工場で、ボーイングからアトラス・エア・ワールドワイドに引き渡された。
引き渡しセレモニーには両社関係者・社員に加えて、顧客、サプライヤー、OBら数千人が参加、半世紀以上の歴史を祝った。
「空の女王」とも呼ばれた747は、世界初の双通路機であり、外観では操縦室のある“コブ”と、機内では操縦室の背後のアッパーデッキの座席が特徴だ。生産は1967年にエバレット工場で始まり、全1574機の747が製造されている。1969年の初飛行、以来100社以上のカスタマーが運用し、累積飛行時間は1億1800万時間以上、延べ飛行回数は約2300万回。
747の開発により、ボーイング社は民間航空業界におけるリーダーの地位を得た。ボーイングは「747-400」、「747-8」など747の改良を重ねており、アトラスに引き渡された最終号機は貨物機の「747-8フレイター」だ。