韓国ストラドビジョン、物体認識AIソフトウェア「SVNet」で2032年までに市場シェア50%を目指す

ストラドビジョン社は、AI物体認識ソフトの説明会と試乗会を開催した
  • ストラドビジョン社は、AI物体認識ソフトの説明会と試乗会を開催した
  • ストラドビジョンの新しいロゴマーク
  • ストラドビジョン社の事業戦略について説明する同社の日本支社ゼネラルマネージャー佐藤寿洋氏
  • SVNetはすでに50車種以上の量産車に搭載されている。今後はさらに13のOEMに提供して50車種以上にに採用される見通しだという
  • ティア1の独ZFとの資本提携をしたほか、多くの企業から出資を受けている
  • 2014年の創業以来、ビジネスの規模は右肩上がりで伸びている
  • SVNetが持つ4つの強み「強力なパフォーマンス」「高効率」「成熟性」「業界内での高信頼性」
  • 中核のSVNetは大きく4つのカテゴリーに分けられる

自動車向け物体画像認識AIソフトウェア「SVNet」を提供する韓国のSTRADVISION(ストラドビジョン)は10月25日、都内で戦略説明会を開催し、日本市場を含めたグローバル展開を推進すると発表。同時に同ソフトによる公道デモ試乗会も実施した。

◆ハードを自由に選択可能でOEMにとって使いやすい形で提供できる

今や販売される自動車の多くには、衝突被害軽減ブレーキをはじめとする安全装備やアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)などのドライバーの負担を軽減する様々な運転支援システムが搭載されている。これらのシステムを総称してADAS(先進運転支援システム)と呼ぶが、この分野において高度なAI物体認識ソフトを使って実績を積んでいる韓国発のベンチャーがストラドビジョンである。

この日は、ストラドビジョン日本支社ゼネラルマネージャー佐藤寿洋氏が同社の今後の戦略について説明した。

佐藤氏の説明によると、同社はADAS向け物体画像認識処理AI技術をメインとするベンチャーとして2014年に5名の社員とともに設立され、現在は324名の従業員が働いている。同社はこれまでに、現代自動車やLGエレクトロニクス、IDG Capital、アイシングループなどからの出資を受け、2016年には100万ドルを、2021年には8800万ドルを獲得するなど、実績を積んできた。今年はさらなる事業拡大を見据え、新たなロゴマークを策定した。

そのような中で、ストラドビジョンが得意としているのは、単眼カメラとDNN(Deep Neural Network)を組み合わせることによる映像の解析・認識で、これを活用したソフトウェアやソリューションがSVNetなのだ。独自のアルゴリズムで開発された物体検知のソフトウェアで構成され、コンパクトかつ軽量な環境下で動作するディープラーニングによるネットワークを特徴としている。

佐藤氏によれば「同じ単眼カメラを組み合わせるライバルに対して、10~15%ほど低コストで提供できるのが強みになっており、ソフトウェアだけの提供となることでハードが自由に選べる、自由度の高い設計としても優位性がある」という。つまり、OEMの求めに応じて極めて使いやすい形で提供できるのがSVNetというわけだ。


《会田肇》

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