大型車の車輪脱輪事故発生が高水準、国交省が緊急点検を実施へ

大型車ユーザーに対してタイヤ脱着時のホイール・ナットの保守管理を訴求するチラシ
  • 大型車ユーザーに対してタイヤ脱着時のホイール・ナットの保守管理を訴求するチラシ
  • 大型車ユーザーに対してタイヤ脱着時のホイール・ナットの保守管理を訴求するチラシ
  • 事故車両調査により確認された各部品の劣化・損傷事例

国土交通省は、大型車の車輪脱落事故が増加傾向にあることから国内の大型車メーカー4社と連携して大型車ユーザーに対してタイヤ脱着時のホイール・ナットの保守管理についての緊急点検を実施する。

今年2月に設置した「大型車の車輪脱落事故防止対策に係る調査・分析検討会」が車輪脱落事故車両について調査したところ、事故車両が劣化したホイール・ナットを使用しているケースや、タイヤ脱着時、ホイール・ナットの清掃や潤滑剤の塗布が、適切に行われていない状況が明らかになった。

劣化したホイール・ナットを使用すると、ホイール・ナットが本来の位置まで締まらず、十分な締結力が得られないため、走行中にホイール・ナットが緩み車輪が脱落するおそれがある。2021年度の車輪脱落事故は123件と過去10年間で2番目の水準で、このうち人身事故が過去10年で最も多い5件発生した。

大型車のタイヤ脱輪は人命にかかわる重大な事故を招く可能性がある。こうした状況を踏まえ、国土交通省は10月1日から大型車のユーザーに対して適切なタイヤ脱着作業について周知・啓発を図る「大型車の車輪脱落事故防止キャンペーン」を実施する。

今回は2018年9月30日以前に登録された車齢4年以上の大型車約38万台のユーザにダイレクトメールを郵送し、ホイール・ナットの適切な保守管理について緊急点検を実施する。2023年2月28日まで。

緊急点検の結果、劣化したホイール・ナットの交換が必要な場合、国内大型車メーカー4社から左側後輪分の新品のホイール・ナットを無償提供する。

《レスポンス編集部》

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