大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)は6月16日、御堂筋線の10系が7月に引退すると発表した。
大阪市交通局時代の1973年にデビューした10系は1989年まで総勢234両が登場。当初は急行運転や高速運転を視野に全電動車の試作車として4両編成1本を「20系」として谷町線へ投入。1975年には10系の量産先行車として製造された中間車を組み込み8両化された際に20系は10系に編入された。
集電方式に第三軌条方式を採用した電車としては初めて省エネ化や排熱軽減を図るためのチョッパ制御が導入されたが、高速運転については試運転の過程で当時の交通局電力部門からの抵抗が強く、1976年2月にはトンネル内の排熱対策が急がれていた御堂筋線へ投入。量産車が登場した1979年からは第三軌条方式としては初めて冷房化されている。
御堂筋線への導入時は8両編成だったが、1987年からは順次9両化。1995年からは現在のように10両化されている。

1998年からは機器更新や車内リニューアルが始まり、2007年からは第17編成以降がVVVFインバータ制御車に改造され「10A系」を名乗った。しかし、2011年12月に新型の30000系が御堂筋線に導入され始めた頃から廃車が進行し、10A系以外のチョッパ制御車は2020年7月までにすべて廃車。10A系を名乗る最終編成(第26編成)が運用されるのみとなっている。

大阪メトロでは10系の引退を記念して、6月21日から7月4日まで引退記念ヘッドマークを掲出。7月24日7~12時には「10系引退記念1日乗車券セット」(3000円)1500セットを堺筋線北浜駅(大阪市中央区)コンコース階(改札外)臨時発売ブースで発売する(購入は1人3セットまで)。
