【青山尚暉のわんダフルカーライフ】犬を車内のどこに乗せるか問題の結論

犬を車内のどこに乗せるか問題の結論
  • 犬を車内のどこに乗せるか問題の結論
  • 犬を車内のどこに乗せるか問題の結論
  • 犬を車内のどこに乗せるか問題の結論
  • 安全対策は必須
  • 犬用シートベルトの着用やハーネスとリードの併用&固定などが必要
  • 犬用シートベルトの着用やハーネスとリードの併用&固定などが必要
  • ハードケージの積載
  • ペットシートサークル

いよいよ旅行などの制約が解かれ、旅行を促進するキャンペーンなどが開始され始めている。初夏にかけては、緑がまぶしい、愛犬を連れたドライブに最高の季節でもあり、これまで我慢していた、愛犬とのドライブ旅行の計画を練っている愛犬家も多いはずだ(もちろん、わが家も!)。

犬を車内のどこに乗せるか問題の結論犬を車内のどこに乗せるか問題の結論

これまで、このわんダフルカーライフでは、ドライブ計画の重要性、どんなクルマが愛犬を乗せるのか最適か、どんな宿が愛犬と滞在するのに相応しいか、愛犬を車内に安全に乗せるためのアイテムにどんなものがあるか…などを、愛犬家&犬目線で説明してきたが、今回は“しばらくぶりの”愛犬とのドライブで忘れているかもしれない「犬を車内のどこに乗せるか問題」について、改めて検証、紹介したい。とはいえ、人間の乗車人数、愛犬の頭数、犬種によっても乗せ方は違ってくるため、乗車人数、乗車頭数&犬種別に最適な方法を、モータージャーナリストであるドッグライフプロデューサーでもある筆者の経験から、伝授させていただきたい。

安全対策は必須安全対策は必須

◆犬を車内で放し飼いにしない!

まず、基本中の基本は、犬を車内で放し飼いにしない、人間であればシートベルトの装着が必須であるように、何らかの安全対策を施して乗せるということだ。犬の安全対策としては、犬用シートベルトの着用、飛び出し防止にも役立ち、そのまま車外に出てお散歩できるハーネスとリードの併用&固定(ヘッドレストステーなどに)、車内専用サークルの使用(ハーネスとリードの併用&固定込み)、そしてハードケージの積載などが考えられる。

犬用シートベルトの着用やハーネスとリードの併用&固定などが必要犬用シートベルトの着用やハーネスとリードの併用&固定などが必要ハードケージの積載ハードケージの積載

◆飼い主1人と愛犬1頭のケース

日常でもありうる、飼い主1人と愛犬1頭の乗車の最適な犬の乗せ方は、後席に決まっている(助手席に犬をそのまま乗せるのは、危険であると同時に、道路交通法違反になりうるので厳禁だ)。それも、後席の犬の位置は、運転席の飼い主と愛犬がアイコンタクトしやすく、寂しがり屋の犬も安心できる、斜め後方となる助手席背後がベスト。わが家でも、動物病院などに飼い主1人(運転席)と犬で向かう場合、必ずそうしている。具体的には、あらかじめ1枚もので汚れたらすぐに丸洗いできるシートカバーの上に、「ペットシートサークル」なる自動車メーカーの専用ドッグアクセサリーを固定。さらにすでに説明したハーネスとリードを着用させ、リードは後席のヘッドレストに固定。車内での安全と、そのまま車外に出せる便利さが気に入っている。

ペットシートサークルペットシートサークル

飼い主2名(夫婦や親子など)での乗車でも、同様に犬を後席に乗車させる。飼い主1人と愛犬1頭の乗車のところで言い忘れたが、後席は犬にとっても特等席。乗り心地が良く、エアコンの風も届きやすく(後席エアコン吹き出し口のあるクルマならなおさらだ)、また前席の飼い主のすぐ近くにいられて、お互いに安心できるというメリットがある。スーパーハイト系軽自動車やプチバンと呼べるコンパクトハイトワゴン、ミニバンの後席部分のリヤサイドウインドーにロールサンシェードのあるクルマなら、直射日光による車内温度の上昇、犬が嫌がることもある車外からの干渉も防ぐことができ、さらなる特等席になる。

◆飼い主2名と愛犬2頭の組み合わせ

わが家が2年前まで、愛犬同伴のドライブで行っていた、飼い主2名と愛犬2頭、それも大型犬と小型犬の組み合わせだとどうなるか。これもまた、犬は後席に乗車させるのが基本だ。

わが家の愛車はコンパクトなステーションワゴンで、後席のシートサイズは座面長480mm、座面幅1270mmというそれほど小さくもなく、広くもないシートだが、大型犬と小型犬でも、普段から一緒にいる仲良しなら、居場所をうまく融通しあって過ごし、お互いに寝ることもできていた。ただし、大型犬を乗せる場合、それぞれにサークルを使うことは不可能。そこでわが家では、バスタブ状のドッグベッドを使っていた。これなら後席部分の居住空間を最大限に犬に与えることができ、なおかつ、万一の急ブレーキの際も、シートから転げ落ちることはない。もちろん、車内の汚れも最小限になる。ただし、そうしたアイテムを選ぶ際は、汚れや抜け毛の清掃性に優れた素材かつ、前部にメッシュ状の窓がある、エアコンの風がドッグベッド内に届きやすいものを選ぶこと。それがないと、内部の温度上昇、暑さのこもりが心配になるからだ。

バスタブ状のドッグベッドをバスタブ状のドッグベッドを

手前味噌になるが、そうした機能を高次元で成立させた、理想の後席用ドッグベッドが、筆者がデザイン、プロデュースしたフォルクスワーゲン純正アクセサリーの「フラットベッド」と、ボルボ純正アクセサリーの「ドッグベッド」である。

フォルクスワーゲン純正アクセサリーの「フラットベッド」フォルクスワーゲン純正アクセサリーの「フラットベッド」ボルボ純正アクセサリーの「ドッグベッド」ボルボ純正アクセサリーの「ドッグベッド」

◆後席に人が乗る場合は?

さて、後席にも人が乗るような場面で、愛犬をどこに乗せるか。もちろん、セダンでは不可能。ハッチバック車でも難しい。SUVやステーションワゴンならラゲッジルーム、ミニバンなら3列目席ということになるはずだ。ほとんどのボックス型ミニバンであれば、後席用エアコン、またはクーラーの吹き出し口が3列目席頭上にもあるため、初夏のドライブ旅行でも、犬は涼しく快適にドライブを楽しめるはずだが、SUV、ステーションワゴンとなるとそうはいかない。三方をウインドウガラスに囲まれたラゲッジルームは、例えダークガラスであっても、ドライブに最適な晴れた日であれば温度上昇は避けられない。ボルボの上級車種のように、ステーションワゴン、SUVでもセンターコンソール後端と、左右Bピラーの3か所にエアコン吹き出し口が完備されているようなクルマなら別だが…。

わが家は、極力、犬は後席に乗せるようにしているのだが、数回だけ、家族総出のドライブ旅行で、ステーションワゴンのラゲッジルームに大型犬を乗せたことがある。そんな場面で威力を発揮してくれるのが、4:2:4分割可倒式で、中央の2部分がアームレストとして機能し、それを出すことで後席とラゲッジルームに空間ができる後席である(日本車ではめったにないのだが)。エアコンの風が届きやすく(後席エアコン吹き出し口は必須)、また飼い主と愛犬のアイコンタクトもしやすくなり、お互いに安心・快適にしてドライブを楽しめることになる。筆者はそれに加え、ラゲッジルームに、運転席で確認できる車内温度計を設置。常時、犬の居場所の温度を管理している。

ラゲッジにも風が届く、4:2:4分割可倒式の後席シートラゲッジにも風が届く、4:2:4分割可倒式の後席シート

◆小型犬なら助手席に乗せられるアイテムも

ところで、冒頭で、助手席に犬を乗せるのは、安全面、そして道路交通法からもNGと記したが、飼い主と愛犬だけの乗車場面で、犬によっては飼い主のすぐそばにいないと、寂しく、不安で車内で吠え続ける、暴れる…なんていうこともあるかもしれない。であれば、超小型犬~小柄な小型犬限定にはなってしまうが、助手席にもベルトでしっかり確実に設置できる、ホンダ純正のHonda Dogシリーズにある「ペットシートプラスわん2」を利用するといい。万一の際、助手席エアバッグが展開しても影響しない形状で、内部に飛び出し防止リードも完備。上部、左右がメッシュ窓になっていて、風通しがよく、安全のために上部の窓(出入り用)を閉めても、飼い主とのアイコンタクトが可能。助手席でも安心・安全にドライブが楽しめるのである。

Honda Dogのペットシートプラスわん2Honda Dogのペットシートプラスわん2

いずれにしても、愛犬を車内で自由にさせて乗車させることは厳禁と、愛犬家として肝に銘じていただきたい。「自分は安全運転主義だから、大丈夫」だと思っていても、追突されることもあるだろうし、山道で思いのほかスピードが出すぎて、路肩に突っ込み、事故を起こしてしまうこともないとは言えないのだから。


《青山尚暉》

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