SUPER GT初参戦のシェイドレーシング…デビューはホロ苦、伸び代は無限

SUPER GT シェイドレーシング
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SUPER GT 2022年シーズンが4月17日岡山国際サーキットで開幕した。2022年に新規参戦や新型車両などトピックスも多い中、完全新規参戦で新型車両という、シェイドレーシングの参戦の様子をレポートする。

SUPER GTは今国内で最も注目を浴びており、観客動員数やレース内容も含めて国内最高峰のレースだ。そのレースに参戦したいと思っているチームは多くいると聞くが、国内サーキットのピットの数や、コース幅や全長が短いコースで多くの台数が走ることの危険性も含めて、参戦チームの上限が決められている。ゆえに参加したいと考えてもなかなか参加できないのが実情だ。それでも参加したい場合は既存のチームとジョイントしてタッグを組むような方法で参加しているチームも多い。その中で今シーズンから参戦するシェイドレーシングはちょうど2021年をもって参加をとりやめたチームがいたことで新規参戦チームとしてエントリーができた。

とはいえ、シェイドレーシングがSUPER GTにサラッと参加できたわけでなく、2018年からもうひとつ国内で盛り上がりを見せている、SUPER耐久において参戦経験もあり、参加クラスにおいてチャンピオンを獲得したことなどの、経験と実績もSUPER GTへの参戦が叶った理由とも考えられる。

そんなシェイドレーシング、今シーズンSUPER GTのGT300クラスに、カーナンバー20シェイドレーシング GR86 GTとして、国内有数のコンストラクターであるaprが作り上げたGT300規定の『GR86 GT』を使用して参戦する。

2021年年末に参戦を発表し、2022年1月の東京オートサロンにて参戦ドライバーとマシンを発表、Aドライバーに経験豊富な平中克幸、Bドライバーに若手の清水英志郎が起用される。SUPER耐久でもシェイドレーシングで活躍していたこともあり、順当なラインナップだろう。

その後3月に待望の新型車でシェイクダウンを行い、岡山での公式テスト、富士での公式テストを経て、いよいよ開幕戦のOKAYAMA GT 300kmレースを迎えた。

4月16日午前の公式練習では8番手タイムでまずまずの滑り出し。その流れで午後に行われた公式予選のQ1ではA/B組に別れた中でB組2番手のタイムを平中選手が叩き出す。Q2に進み初めての公式予選に挑む清水選手が1’24.871とコースレコードを上回るタイムを出すが、この日は上位9台がコースレコードを上回るタイムを出しており白熱した予選が繰り広げられた。その中で予選9番手となり決勝に挑むことになった。

平中選手も「まだまだやりたことはたくさんある中で、時間も無いので今できることをやっている状態」とまだまだ走り始めての苦労を感じているようだった。初めてGTに参戦する清水選手は「全てが初めての経験なのでGTを楽しみにしてきました。マシンやタイヤもいろいろ経験できています。今はまだいろいろ感じている最中です」と語るなかで、「自分調べですけど最年少での参戦のはずですし、今のルールの中で2戦目くらいまでに優勝できると最年少優勝だと思うので、そこは少し狙っていきたい」と2003年生まれの19歳の若手ドライバーの緊張のなかにもふつふつと湧き上がる闘志も垣間見えた。

4月17日の決勝前に行われる20分間のウォーミングアップで、少しマシンのセットアップを変更して決勝に挑もうと考えていたが、思ったようなタイムやマシンバランスにならず、元のセットアップに戻す作業も行われていた。

そして決勝が始まる。スタートは清水選手が担当し順調に周回をこなしていく。今回の300kmレースではGT500クラスが82周でチェッカーが振られる。GT300クラスは数回ラップダウンになり、今回は最終的にトップは77周でチェッカーを受けた。SUPER GTは2人一組なので途中でピットインしてドライバー交代を行う。おおよそ半分の30周前後で交代するわけだが、今回シェイドレーシングは28周でピットインを行った。

ピットが狭い岡山国際サーキットでは、両隣や2つ先のチームとうまく調整しながらピット作業を行うことも多い中、隣りのmutaレーシングとピットが重なってしまい少しロスタイムが発生してしまった。

そのこともありレース後半は集団のなかで揉まれながらレース展開となり、同じGT300規定のマシンと戦うことになった。コースが狭く抜きにくい上、同じような特性を持つマシン相手では勝負の駆け引きも難しいことあり、14位でフィニッシュした。

決勝を終えてチームを率いる才木監督は「序盤は良かったのですが、タイヤがタレてきたところで接触もあったし、ピットも他のチームとのやりくりなどもしていかないとダメだということも経験できました。今シーズンGT300規定のマシンはBoPで直線が遅いです。富士や鈴鹿の直線でおいていかれるのが分かったので、今後どういう風にしていくのかを考えていかないといけませんね」と語る。

平中選手は「ピットでミスがありポイント圏外になってしまったので、マシンやタイヤの様子を見ながらのレースとなってしまいました。データを取りながらのレースになってしまいましたが、今後に活かせれば良いと思います。岡山は抜けないコースなのでやはり前にいないとダメですね。とにかく走り込みなどの時間も少ない、いろいろやっていかないと上位で走れないと思うので、今回のレースを次に活かしていきたい」と語った。

スタートを担当した清水選手は「S耐の開幕戦でもスタートを担当して緊張しましたが、今回もGTでスタートを担当して緊張はもっとしました。しかし順位を落とすことなく平中選手に繋げたのは良かったと思います。チームとしてもドライバーとしても課題がいろいろ見つかったので今後に活かしていきたいです。何もかも初めてで今が一番下だと思うので、これからはチームもドライバーも伸び代しかないと思います」と語る。

SUPER耐久での参戦経験も豊富だが、よりハードでシビアなレースを行っているSUPER GTではホロ苦いデビューとなったシェイドレーシング。新規のGR 86GTと共にどう進化していくのかが楽しみだ。

《雪岡直樹》

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