JR西日本、ローカル17路線30区間すべて赤字、廃線の危機[新聞ウォッチ]

JR西日本山陰本線(島根県)
  • JR西日本山陰本線(島根県)
  • JR西日本在来線線区別利用状況(2019年度実績)
  • ホンダの元社長の吉野氏

JR在来線のうち、ローカル線の採算悪化が一段と加速しているという。

このうちJR西日本は、利用客が極めて少ない在来線の区間別の収支を初めて公表したが、対象となった17路線30区間はすべて赤字で、2017~19年度の営業赤字が年間平均で約248億円となり、区間によっては最大で30億円を超えた赤字路線もあったそうだ。

きょうの日経が1面で「地方路線赤字248億円、JR西、存廃議論を喚起」と報じているのに加え、ビジネス面でも「JR在来線6割が廃線水準」という衝撃的な見出しで解説記事を掲載。このほか、各紙も経済面などで取り上げている。

それによると、JR西日本が公表した対象区間は、鉄道の利用状況を示す1日の平均通過人員(輸送密度)が2000人未満の30区間計1360kmで、JR西の在来線の総営業km数(4090km)の3割にあたるとみられる。なかでも、営業利益の赤字額のうち、山陰線の出雲市~益田間(島根県)が34億5000万円と最大で、次いで紀勢線の新宮~白浜間(和歌山県)の28億6000万円、小浜線の敦賀~東舞鶴間(福井県、京都府)が18億1000万円などが赤字額ワースト路線。

ローカル線の採算悪化の背景には、少子高齢化による人口減少に加え、新型コロナの感染拡大で観光客を含めた鉄道利用の低迷が経営を直撃。厳しい経営が一層鮮明になっており、バス路線への転換も含め、路線の廃止に根強く反対している沿線自治体とともに、運行見直しに向けた議論を進めたい意向という。ただ、地元自治体の反発は強く、先行きは見通せないとも伝えている。

2022年4月12日付

●中国新車販売前年割れ、3月「ゼロコロナ政策」響く(読売・8面)

ツイッター取締役、マスク氏就任辞退(朝日・11面)

●ローカル17路線赤字、JR西、廃線視野に議論か(毎日・26面)

●円安加速一時125円台(東京・7面)

●日立、週休3日で給料維持、生産性向上へ働き方改革(日経・1面)

●華流EV世界へ、「デザインも悪くない」(日経・2面)

●日産、EVへ2000人再教育、まず米工場、人材の再配置急ぐ(日経・16面)

ホンダ元社長、吉野浩行氏が死去、82歳、環境技術に力(日経・38面)

《福田俊之》

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