JR東日本は3月17日、福島県沖地震による東北新幹線の被災状況を明らかにした。
同新幹線は3月16日23時36分頃に発生した、福島県沖を震源とした最大深度6強の地震により那須塩原~盛岡間で運行を見合わせているが、被災状況を確認したところ、白石蔵王駅(宮城県白石市)の2km手前で『やまびこ223号』が脱線したほか、土木構造物の損傷や電柱の折損、軌道変位、駅設備の破損なども発生しているという。
このうち『やまびこ223号』は、運輸安全委員会によると盛岡方のE6系(11~17号車)が13号車を除く全軸、東京方のH5系(1~10号車)が1~7号車と10号車の全軸、8号車前台車と9号車後台車の全軸が脱線していたという。
現在、東京~那須塩原間と盛岡~新青森間で折返し運行されているが、全線再開までには相当な日数を要すると見込んでおり、JR東日本では不通区間の一部再開を含み、早期の復旧に努めるとしている。
東北新幹線の一部不通、それに関連した山形新幹線の全面運休により、首都圏から秋田方面への足は上越新幹線と特急『いなほ』の乗継ぎとなるが、これを考慮して羽越本線で運行されている新潟~酒田間の特急『いなほ5・10号』を秋田まで臨時延長する。また、航空会社にも協力を要請し、首都圏~東北間の足を確保するとしている。
東北方面へは上越新幹線で新潟へ、新潟から羽越本線に乗り換えるルートが機能している。写真は上越新幹線のE7系。なお、東北新幹線のほか、宮城県内を中心としたJR在来線も被災しているため、JR貨物の貨物列車は宇都宮貨物ターミナル~盛岡貨物ターミナル間、小牛田~石巻港間で運行を見合わせている。
運行を見合わせている東北本線の貨物列車(右)。