リニア工事でまたも作業員が負傷…愛知県内の第一中京圏トンネル西尾工区

第一中京圏トンネル(西尾工区)の本坑掘削工事現場。2021年12月。
  • 第一中京圏トンネル(西尾工区)の本坑掘削工事現場。2021年12月。
  • 第一中京圏トンネル(西尾工区)の工事位置。

斉藤鉄夫国土交通大臣は3月4日に開かれた定例会見で、リニア中央新幹線西尾工区の第一中京圏トンネルで3月1日に発生した負傷事故について、記者の質問に答えた。

第一中京圏トンネルは、愛知県と岐阜県に跨る全長34kmのトンネル。西尾工区は愛知県春日井市内の約5kmを受け持っていたが、3月1日16時40分頃、地山にロックボルトを打設する作業を行なっていた際、削孔した穴に注入するモルタルのホースを移動中に、吹き付けたコンクリート片が剥がれ落ち、作業員1人が右肩を負傷したという。

リニア中央新幹線の工事現場では、2021年10月に瀬戸トンネル瀬戸工区(岐阜県中津川市)、同年11月に伊那山地トンネル坂島工区(長野県豊丘村)で作業員が死傷しており、JR東海ではこれらの工事を一時中止。2022年1月には坂島工区が再開したが、その矢先に三度、起きた事故だった。

これについて斉藤大臣は「JR東海は、今回事故が発生した西尾工区を含む山岳トンネルの他の工区について、厚生労働省のガイドラインを遵守した作業が行われていることを確認していました」と述べた上で遺憾の意を示したが、現在、JR東海と労働基準監督署が原因を調査していることもあり「原因の調査がしっかりと行われ、その結果を踏まえた再発防止策の着実な実施により、このような山岳トンネルでの事故が繰り返されないよう、国土交通省としても適切に対応してまいりたい」とするに留めている。

第一中京圏トンネル(西尾工区)の工事位置。第一中京圏トンネル(西尾工区)の工事位置。
《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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