半導体工場火災のルネサス、“焼け太り”決算で過去最高[新聞ウォッチ]

ルネサスエレクトロニクスのチップ
  • ルネサスエレクトロニクスのチップ
  • トヨタ・ヤリス。2021年暦年で登録車ベストセラー。
  • 日産自動車、2021年度第3四半期決算を発表(2月8日)
  • ホンダN-BOX。2021年暦年で軽乗用車ベストセラー。

2021年度第3四半期の決算発表がピークを迎えているが、自動車メーカー各社もマツダを除いてほぼ出そろった。きょうの各紙も発表を終えたトヨタ自動車や日産自動車、ホンダなどを中心に決算を総括する記事を取り上げている。

このうち、読売は経済面のトップで「部品不足で減産したにもかかわらず、自動車大手3社が好業績をあげている」と掲載。トヨタの21年4~12月期は最終利益が過去最高を更新し、日産とホンダは22年3月期の利益予想を上方修正したと伝えている。その背景には「コロナ禍からの世界的な経済回復に自動車の供給が追いつかず、値引きを抑えても売れるという事情がある」とも分析している。

また、朝日はトヨタの決算発表を取り上げているが、タイトルは「トヨタ最高益、足元には三重苦」として、「半導体不足」「コロナ拡大」「原材料高騰」の三重苦に見舞われていると報じている。毎日も「トヨタ業績下方修正」を見出しに、22年3月期予想を修正し、売上高を前期比8.4%増の29兆5000億円(従来予想は30兆円)に引き下げたとも。

その業績の足を引っ張る半導体不足だが、半導体メーカー大手のルネサスエレクトロニクスも21年12月期の連結決算(国際会計基準)を発表。茨城県にある主力工場で火災があったものの、世界的な半導体不足で需要が大幅に増えたことから、売り上げは前年に比べて38%増の9944億円、純利益は2.8倍の1272億円と、今の会計基準となって以降で過去最高になったという。

部品を供給するサプライヤーの中にはコロナの感染拡大などによる減産や原材料高騰への対応で苦慮している企業もあれば、風が吹けば桶屋が儲かるような “焼け太り”企業もあるようだ。

2022年2月10日付

●ガソリン補助上限到達、政府発表「1リットル5円」3週間で (読売・2面)

●車大手減産でも利益、重要旺盛値引き抑える、円安も追い風、トヨタ・日産・ホンダ(読売・7面)

●まん延防止長期化の懸念、来月6日まで、13都県延長へ(朝日・1面)

●ホンダ、最終益31%増、4~12月期、米値引き抑制寄与 (産経・11面)

●中国新車販売マイナス、1月、トヨタは21%減、日系4社(産経・11面)

●迫真・EV急加速4、電池が崩す車の論理 (日経・2面)

●AI、プロゲーマー破る、ソニー、瞬時の判断力磨く(日経・3面)

●新宿西口再開発、東急不も参画、小田急と共同2000億円 (日経・13面)

●独ボッシュ、EVへ学び直し、5年で1300億円 (日経・15面)

●ルネサス、純利益2.8倍、前期、車載・産業用向け需要増(日経・19面)

●東京都心、警報級大雪か、きょうからあす、交通機関の乱れも(日経・43面)

《福田俊之》

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