2両1組でレールの頭を削る…東北本線に新型レール削正車が登場

東北本線で運用を開始した仙建工業株式会社が所有する新しいレール削正車。左が「ミリング車」、右が「グラインディング車」。双方とも全長は15.7mで、車両本体とミリング装置、グラインディング装置はドイツ製。制御・検測システムはアメリカ製。
  • 東北本線で運用を開始した仙建工業株式会社が所有する新しいレール削正車。左が「ミリング車」、右が「グラインディング車」。双方とも全長は15.7mで、車両本体とミリング装置、グラインディング装置はドイツ製。制御・検測システムはアメリカ製。
  • 新型削正車による削正プロセス。
  • 従来のレール削正方式(左)と新型レール削正車の削正方式(右)。削正深さは従来が1回につき0.01mm程度のため何度も往復する必要があったが、新型では0.3~2mmと深くなっているため往復せずに削正効果を得られるほか、火花が発生しないため散水を必要としないメリットもある。

JR東日本仙台支社は10月28日、新型レール削正車2編成の使用を10月から東北本線宇都宮~盛岡間で開始したと発表した。

車両の車輪と直に接するレールは、放置すると頭部に劣化層が積み上がり金属疲労を起こすが、それを防止するため劣化層を取り除く作業を「削正」と呼ぶ。削正によりレールの交換頻度を抑制し、作業員の交換作業の負担を減らすことができるという。

従来のレール削正車には、砥石を横方向に回転させながら数回往復し、レール頭面を削る「回転式グラインディング装置」が使われていたが、新型削正車では超硬度合金製のカッター刃が付いた「ミリングホイール」と呼ばれるものを縦方向に回転させてレール頭面を削る「ミリング車」と、砥石を前後に摺動させる「摺動式グラインディング装置」を使って削った頭面を研磨する「グラインディング車」からなり、新型削正車では1回で削正する深さが大きいことがおもな特徴となっている。

JR東日本によるとミリングホイールによる削正は自社初、摺動式グラインディング装置の搭載は日本初になるという。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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