国土交通省は10月22日、検査員を置かずに、AI(人工知能)を活用した自動車の完成検査を解禁するため、自動車型式指定規則などを一部改正すると発表した。
日産自動車やスバル、スズキなどで完成検査の不正が発覚したこともあって、国土交通省では完成検査制度の見直しを検討してきた。「完成検査の改善・合理化に向けた検討会」が昨年4月に公表した中間とりまとめでは、完成検査を合理化できる自動化機器の活用が掲げられた。AIを活用して完成検査を合理化する実証実験などを実施し、今年3月には「完成検査の自動化ガイドライン」が策定された。これらを受けて法改正する。
具体的には完成検査では国土交通大臣が定める基準に適合する自動車検査用機械器具による検査を可能とし、完成検査員を置かずに実施できることを規定する。器具の基準では検査員と同等以上の精度を持つことや、異常を検出した場合は自動で停止すること、検査結果は自動で記録することなどを定める。
パブリックコメントを実施した上で11月に公布・施行する。