ジープ ラングラーPHV、女性だけで競うラリーに参戦中…オフロード性能を検証する

ラングラー4xeはファクトリーチームとして3台が参戦

PHVシステム全体で375hpのパワーを発揮

3種類の走行モードを切り替え可能

電動ラングラーでも優れたオフロード性能は健在

米「Rebelle Rally」に参戦しているジープ・ラングラー 4xe
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  • ジープ・ラングラー 4xe
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ジープブランドは10月7~16日、米国で開催中の女性だけで競うラリーレイドの「Rebelle Rally」に、『ラングラー』初のプラグインハイブリッド車(PHV)の「4xe」(フォーバイイー)で参戦している。

ラングラー4xeはファクトリーチームとして3台が参戦

同ラリーは、米国ネバダ州、アリゾナ州、カリフォルニア州の砂漠地帯を舞台に、今年は8日間で2500km以上を走破するラリーレイドだ。2016年に開始された同ラリーには、「4×4」とクロスオーバー車の「X-Cross」の2つのクラスがある。2020年からは電動車も出走可能となり、EVやハイブリッド車、PHVが参加できる。

同ラリーでは、電子機器の使用を禁止している。スマートフォンやタブレット端末、パソコン、GPSは使えない。参加者は地図と方位計を頼りに、コースに設けられた複数のチェックポイントを通過することが求められる。

ジープ『ラングラー4xe』は、このRebelle Rallyに、ファクトリーチームとして3台が参戦している。この3台を含めて、全体の3分の1以上が、ジープのSUVで同ラリーにエントリーしているという。

PHVシステム全体で375hpのパワーを発揮

ラングラー4xeの PHVパワートレインは、エンジンが直噴2.0リットル直列4気筒ガソリンターボで、最大出力270hp/5250rpm、最大トルク40.8kgm/3000rpmを発生する。このエンジンは、5800rpmまで許容する。シリンダーヘッドに直接取り付けられたツインスクロールの低慣性ターボチャージャーによって、優れたレスポンスとパフォーマンス、燃費を追求している。

従来のオルタネーターに代えて、「eトルク」と呼ばれるベルト・スタート・ジェネレーターを採用する。モーターは、8速ATと一体設計された。このモーターは、最大出力134hp、最大トルク25kgmを引き出す。エンジンとモーターを合わせたPHVシステム全体で、375hpのパワーと65kgmのトルクを獲得する。動力性能は、0~96km/h加速が6.0秒だ。

ラングラー4xeには、回生ブレーキを搭載する。ドライバーがブレーキペダルを踏むと、パワートレインコントロールが電気モーターから最大0.25gの回生ブレーキを作動させ、車両を減速させる。これにより、ブレーキパッドの寿命が延びるという。

3種類の走行モードを切り替え可能

バッテリーは、蓄電容量17kWhのリチウムイオンだ。ラングラー4xeには、「E Selec」と呼ばれる3種類の走行モードがある。ドライバーは、ステアリングホイール左側のボタンを操作して、パワートレインモードを選択する。選択したモードに関係なく、バッテリー残量が少なくなると、自動的に「ハイブリッド」モードに切り替わる。

ハイブリッドモードは基本モードで、2.0リットルエンジンと電気モーターのトルクを最適にバランスする。このモードでは、パワートレインは最初にバッテリーの電力を使用し、バッテリー残量が少なくなると、エンジンからの駆動力を追加する。

「エレクトリック」モードでは、パワートレインは、バッテリー残量が少なくなるまで、ゼロエミッションで走行する。「eセーブ」モードでは、2.0リッターエンジンからの駆動力を優先し、バッテリーの電力を節約する。ドライバーは、「Uconnect」モニターを介して、eセーブモード中に、バッテリーセーブとバッテリー充電のどちらかを選択することもできる。エレクトリックモードでは、米国の平均的な1日の通勤距離をゼロエミッション走行できるという。

電動ラングラーでも優れたオフロード性能は健在

ラングラー4xeは、ラングラーの4ドアをベースにしている。専用のボンネットを採用し、スキッドプレートと前後の牽引フックも装備する。オフロードホイールと大径タイヤを標準装備した。最低地上高は274mmで、最大760mmの渡河性能を持つ。アプローチアングルは44度、ブレークオーバーアングルは22.5度、デパーチャーアングルは35.6度と、ラングラーならではの優れたオフロード性能と、環境性能の両立を狙う。

充電ポートは、左フロントフェンダーに設けられた。充電状態を示すLEDインジケータが備わる。インストルメントパネル上部にLEDバッテリー残量モニターを装備し、充電中の電池残量を確認できるようにしている。

ラングラー4xeには、「サハラ」、「ルビコン」、「ハイ・アルティテュード」の3仕様が設定される。サハラとハイ・アルティテュードには、フルタイム4WDシステム、前後の新世代「Dana 44」アクスル、2.72:1のローレンジギア比の「Selec-Trac」2速トランスファーケースが装備されている。「Trac-Lok」と呼ばれるリアのLSDは、砂や砂利、雪、氷の上など、トラクションの低い状況でグリップを高めてくれる。

ルビコンは、4:1のローレンジギア比を備えた2速トランスファーケース、フルタイム4WD、前後の新世代Dana 44アクスル、「Rock-Trac 4x4」システムを搭載する。ルビコンはまた、電動スタビライザーディスコネクトなどにより、オフロード性能を追求している。

さらに、ラングラー4xeには、ヒルディセントコントロールとセレクスピードコントロールが採用されている。これにより、急勾配での車速のコントロール性を高めている。

《森脇稔》

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