ディーラーの試乗車でカーシェア活用…エニカが71社と提携

DeNA SOMPOモビリティの馬場光社長は10月7日、「『所有から利用へ』今の時代にこそはじめたい、カーディラーにおける試乗車活用法」というテーマでオンラインセミナーを開催。コロナで消費行動が変化している中、新しい営業スタイルが必要だと強調した。

同社はDeNAとSOMPOホールディングスの合弁会社で、カーシェアサービス「Anyca(エニカ)」を運営するために設立されたといっていい。エニカとは、個人のクルマを使っていない時間にカーシェアできるプラットフォームだ。

マイカーの所有者にとっては、駐車場に眠っているクルマをカーシェアすることでクルマにかかる維持費が軽減され、一方カーシェアを利用するドライバーは、国内外の乗用車をはじめスポーツカーや高級車など豊富な車種を利用できるといったメリットがある。

同社によれば、半分以上のクルマが24時間8000円以下でシェアが可能だという。登録会員数は50万人以上で、累計登録台数は2万台以上、1000車種以上にのぼるそうだ。そんなエニカに同社が加えようと力を入れているのが、ディーラーの試乗車だ。

「今、ディーラーを取り巻く環境変化が確実に進んでおり、各社さまざまな新規チャレンジに取り組んでいる。コロナ禍ということもあって、乗用車購入までの平均ディーラー訪問回数が約2.6回と大きく減っている。ウェブでの車種選択、見積もりが急増し、ディーラーもオンライン販売に取り組むところが増えている」と馬場社長は話し、利用機会が少なくなった試乗車を有効に活用できる仕組みを開発した。

馬場社長によると、試乗車をエニカに登録すると3つのメリットがあるという。まず試乗車を「わ」ナンバーに変更せずに試乗車をそのまま使用してカーシェアを開始できること。2つ目はエニカのシェアを通じて新規見込顧客をつくれること。そして3つ目が導入コスト不要で、月額のランニング費用のみでスタートが可能なこと。

実はエニカに試乗車を加えようしているのにはこんな事情もある。個人間のカーシェアでは購入してから2年以上のクルマが多く、最新のモデルが少ないということがある。その点、ディーラーの試乗車は最新モデルばかりで、登録者に人気がある。

同社はディーラー向けのエニカを2020年6月から開始しており、現在契約ディーラー数は71法人、導入店舗数は113店にのぼる。購入を検討している人が数日使う人も少なくなく、なかには最新モデルに乗り換えるために、奥さんを説得させる材料として利用した人もいたそうだ。

「今後は、送客の量と質の両方の向上に加えて、よりクルマの購入に寄与できる仕組みを検討していこうと思う。エニカとしても、乗りたいクルマに乗れる、ほしいクルマを持てる世界をつくっていきたい」と馬場社長は話す。

そのためにまず2021年7月に試乗車向けの新保険等の安心安全を担保する制度を大幅に刷新、この10月にはディーラー店舗以外でのタッチポイントづくりとして、ファミリーマートや代官山T-SITEでも新型モデルをカーシェアできるようにした。

ディーラーにとってもメリットが多いエニカのカーシェアサービスがどこまで拡大していくのか注目される。

《山田清志》

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