ルネサス、「R-Car S4」と「PMIC」を組み合わせた車載ゲートウェイソリューションを発表

ルネサスエレクトロニクス(以下ルネサス)は10月6日、次世代車載中央コンピュータ向けに、新開発したR-Carシリーズの第4世代となるゲートウェイ用SoC(System on Chip)「R-Car S4」と、パワーマネジメントIC(PMIC)を組み合わせた車載ゲートウェイソリューションを発表した。

「R-Car S4」にはArmコアを複数搭載したほか、CPUコア「RH850」を内蔵

新しいソリューションは、ドメイン型やゾーン型といった新しいE(電気)/E(電子)アーキテクチャに求められる高度な要件に応えられるものとして誕生した。高性能かつ、複数の多様な高速ネットワークに対応し、高いセキュリティ機能と高い機能安全レベルを装備。「R-Car S4」は既存のソフトウェアの再利用性を重視して設計され、さらに「R-Car S4」とシームレスに動作する「PMIC」と合わせて使用することで、ユーザの開発効率の向上を実現することを可能とした。同日より両製品のサンプル出荷を開始した。

「R-Car S4」とパワーマネジメントIC(PMIC)の組み合わせについて、同社執行役員兼オートモーティブソリューション事業本部長 片岡 健氏は、「次世代のクルマにおけるE/Eアーキテクチャーの根幹プラットフォームになるものだ。クラウドサービスへ安全に接続できることと、車載制御を安全かつ確実に行うことの両立が課題となってきている中で、ルネサスは今回のR-Car S4ソリューションでこの課題に応える。すでに数社のOEMで採用され、このソリューションを使った次世代システムの設計を始めている」と述べた。

「R-Car S4」は第4世代のR-Carファミリーとなるが、従来のSoCと若干違うのは、SoCの中にマイコンも入っていることにある。Arm(アーム)の「CortexR A55」、「Cortex R52」を複数搭載し、車載制御をサポートするためにR-Carとして初めて「RH850」マイコンのCPUコアを内蔵したのだ。

片岡氏は「このSoCはゲートウェイとして、極めてハイエンドなリクエストに対しても走るし、いわゆる従来型のローエンド処理に対しても走る。つまり、幅広いソフトウェアのユーザービリティを備えている」と説明した。

使い勝手の面でも「R-Car S4」は進化を見せており、CAN FD×16、LIN×16、SENT×8、FlexRay×1、PCIe V4.0×4、さらに2.5 Gbpsの高帯域イーサネットTSNスイッチ×3など、豊富な数の通信インタフェースを搭載し、車内外の多様なコネクティビティを実現しているという。

超低消費電力動作に対応したR-Car用の新しい「PMIC」も開発

また、第3世代のR-CarやRH850用に開発されたソフトを最大88%再利用できるのも大きな特徴で、各種ドライバやLinux BSP(Board Support Package)、ハイパーバイザなどの基本ソフトウェアを含むソフトウェアパッケージも提供。これによりリアルタイムコアを含むR-Car S4用ソフトウェア開発をサポートするとしている。

さらに、パートナー企業が提供する仮想プラットフォーム(VPF)を利用することで、早期のソフトウェア開発と評価が可能となり、OEMに対して設計期間短縮とコスト削減に貢献できるとした。

同時発表したR-Car用の新しい「PMIC」は超低消費電力動作に対応したもの。プリレギュレータのPMIC「RAA271041」は、車両バッテリの12V電源入力に対応し、ロードダンプやコールドクランキングパルスといった入力電圧変動時でも出力を保持することが可能になるという。

また、「RAA271005」は、RAA271041の出力を受けて、R-Car S4と、LPDDR4xメモリなどの周辺機器が必要とする電源電圧に落とし、最大で11チャネルを出力できるようにする。これらのPMICによって、車両のバッテリからR-Carまで、高信頼性のパワーソリューションを実現することを可能にした。

ルネサスによれば、本ソリューションの評価ボードの提供も開始したとしており、この評価ボードはR-Car S4とPMICのほか、ルネサスのタイミングIC「Autoclock RC2121x」を搭載した同社のウィニングコンビネーションの1つとして位置づけて展開していくという。

《会田肇》

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