ウーブン・シティのカフナーCEO「空飛ぶモビリティを紹介する場になるかも」

ウーブン・プラネット・ホールディングスのジェームス・カフナーCEO
  • ウーブン・プラネット・ホールディングスのジェームス・カフナーCEO
  • 「Woven City」(ウーブン・シティ。2020年1月の構想発表時はコネクティッド・シティとだけ呼ばれていた)

静岡県裾野市は10月5日、「これからのまちづくり」と題した説明会を開催した。その説明会には高村謙二市長(※)のほか、ウーブン・プラネット・ホールディングスのジェームズ・カフナーCEO(トヨタ自動車取締役)も出席し、ウーブン・シティについて説明した。※高ははしご高

「ウーブン・シティのきっかけは2011年3月11日の東日本大震災だった。この大震災をきっかけにトヨタ自動車は東北に生産を移管し、東北地区をサポートする決断をした。ウーブン・シティは裾野を未来に向けた新しい価値を生み出すことによって、この地域を活性化していこうというものだ」とカフナーCEOは述べ、ウーブン・シティは裾野市から生産撤退をする埋め合わせというわけだ。

トヨタ自動車東日本の東富士工場跡地に建設されるウーブン・シティは、AI(人工知能)や自動運転、ロボットなどの新技術を導入して、実証する実験都市を目指している。スマートモビリティをはじめ、物流、再生可能エネルギー、農業などさまざまな実証が進められていくそうだ。

「個人的には空飛ぶモビリティに関心を持っている。新たなまちはそれを紹介する場になるかも知れない」とカフナーCEOは話し、あくまでも人中心でまちづくりを進めていく考えを強調した。

「私たちが目指すことは、技術により人々が幸せで穏やかな生活ができるように役立つこと。つまり新しい技術を開発してテストをし、サービスを創り出し、住む人にフィードバックしていくということだ」

一方、同日付で「カーボンニュートラル宣言」を行った裾野市の高村市長は、「未来志向のまちづくりを進めるため、次世代型近未来都市構想となる『スソノ・デジタル・クリエイティブ・シティ(SDCC)』構想を発表した。その中で9つの取り組みを推進しており、その1番目がウーブン・シティ周辺等の整備および地域との融合だ」を話し、ウーブン・シティ効果に高い期待を寄せている。

カフナーCEOも最寄りの岩波駅周辺で自動運転車『e-Palette(イーパレット)』や次世代の1人乗り自動車を導入する構想を明らかにした。また、カーボンニュートラルを目指すために水素を活用していく方針も打ち出した。

「水素はカーボンニュートラル実現で重要な役割を担うことができる。トヨタ自動車も水素の研究開発には力を入れている。水素はさまざまなリソースから得ることができ、蓄えやすく、輸送もしやすい。産業界で広く使われ、一部のモビリティでも使われている。水素を身近に思えるさまざまなアイデアを考えていきたい」とカフナーCEOは説明する。

ウーブン・シティは今年2月に着工し、2024~25年ごろまで工事が行われ、その後開業する予定だ。世界中が注目しているスマートシティだけに、どんなまちになるか楽しみだ。

《山田清志》

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