[プロセッサー入門]運用法…ビーウィズ

ビーウィズ・STATE A6R シリーズ
  • ビーウィズ・STATE A6R シリーズ
  • ビーウィズ・ミラーステーションAZ-1
  • ビーウィズ・BEWITHSTATE

本格的なカーオーディオシステムを構築しようと思ったとき、今や「プロセッサー」は必須アイテムだ。当特集では、この重要ユニットがそもそも何なのか、そしてどう使いこなせば良いのかまでを多角的に解説してきた。今回はその最終回をお届けする。

独創的なモデルを多々発表してきた“ビーウィス”の、「プロセッサー」に注目!

今回は、国産ハイエンドカーオーディオブランド、“ビーウィズ”の「プロセッサー」をフィーチャーする。同社は、唯一無二のスーパー「プロセッサー」を擁している。それが“スーパー”であるゆえんを、詳しく解説していこうと思う。

ところで“ビーウィズ”は、常に独創的な製品を世に送り出してきたブランドとしても知られている。その歴史をスタートさせた2002年には、“偏心コーン”という発明的な振動板を備えた2ウェイスピーカーシステム『コンフィデンス』を発表し、それ以後も例えば2005年にはルームミラー型のハイエンドヘッドユニット『ミラーメディア MM-1』を登場させるなど、斬新なモデルを次々と生み出してきた。

そんな同社は「プロセッサー」においても印象的なモデルをリリースしてきた。まずは2007年の10月に、同社初となる「プロセッサー」、『ミラーステーションAZ-1』を発売している。

なお当機は価格的にもスペック的にも群を抜いていて、登場するやいなや大きな注目を集める。税抜価格はなんと80万円。そしてそれに見合うポテンシャルがしっかり確保されていた。使用パーツに贅が尽くされ回路設計にもこだわりがふんだんに注入されていて、図抜けたサウンドクオリティを発揮した。

またその翌年にはすかさず第二世代モデルとなる『ミラーステーション AZ-2』が発表され、これら2モデルは多くの“ビーウィズ”ファンに愛用された。彼らは遂に実現された“フルビーウィズ・サウンド”を、心ゆくまで満喫した。

そしてその2年後の2010年には、スペシャルな特長を備えたニュー「プロセッサー」が誕生する。製品名は『BEWITHSTATE』。当機には、「買い足すことでシステムアップが図れる」という、まったく新しい利点が備えられていた。

ビーウィズ・ミラーステーションAZ-1

“連結”することで、特別なシステム運用が実行可能に!

この『BEWITHSTATE』はつまり、“連結”することを可能としていた。買い足して複数台を繋げることで、新たな価値が生み出される。それは主には2つあった。1つは「多chシステムを制御できること」、もう1つは「マルチアンプシステムにおいて完全なるchセパレーションを得られること」、この2つだ。

これらが何を意味するのかを説明していこう。ますは前者について。当機は実は、プレミアムカーに採用されるスペシャルオーディオシステムを制御することも目指されていた。そのようなシステムでは、フロント、リア、センター等々多数のスピーカーユニットが純正装備されている。『BEWITHSTATE』なら、“連結”して使用することでそれらを完ぺきにコントロールできる。

そしてもう1つの「マルチアンプシステムにおいて完全なるchセパレーションを得られること」とは、以下のとおりだ。ハイエンドカーオーディオの世界では、「マルチアンプシステム」が組まれることが一般的だ。それを実行することで、各スピーカーユニットにパワーアンプの1chずつをあてがえるようになるので、各スピーカーを効率的に、そしてトルクフルに駆動できる。そして、緻密なサウンドチューニングも行える。各スピーカーの音楽信号の伝送経路が独立するので、個別制御を行えるようになるからだ。

で、『BEWITHSTATE』を用いると、「マルチアンプシステム」をより良いコンディションで運用できるようになる。「プロセッサー」についても左右で1機ずつ、その気になれば各chに1機ずつ置くことも可能となる。結果、「プロセッサー」で信号制御する段階から左右で、あるいはchごとで回路を切り離せるので、切り離されたch間での信号の干渉がほぼなくなる。『BEWITHSTATE』なら、このようなシステム構築も可能となるのだ。

ビーウィズ・BEWITHSTATE

コンセプトを深化させた進化版『STATE A6R シリーズ』を、2016年に発売!

そして“ビーウィズ”は、2013年にマルチプロセシングDACシステムの第二世代モデルとなる『STATE A6』と『STATE A6 pro』を、そして2016年にはその第三世代となる『STATE A6R シリーズ』を発表する。これも『BEWITHSTATE』と同様に「連結できること」を最大の特長としているのだが、第三世代モデルとなったことによりラインナップが拡充された。最初から2台が連結された『STATE A6R DUAL』、そして6台が連結された『STATE A6R MONO』も用意され、「完全なるchセパレーションを実現する」というコンセプトがより明瞭に具現化された。

ところで『STATE A6R シリーズ』は、連結することで機能が拡張するというストロングポイントも備えている。例えば「イコライザー」では以下のように機能が拡張する。単体で使う場合には1chあたりのバンド数は「15」で選択可能なポイント数は「35」なのだが、2台が連結されるとそれがそれぞれ「30」と「120」に増える。そして6台を連結する際には「90」と「180」までに増大する。通常の「プロセッサー」では有り得ない超詳細なサウンド制御も可能となるのだ。

なお、『STATE A6R シリーズ』は現在、『STATE A6R kishi model』へと進化を遂げている。当シリーズの各機では、アナログ回路を構成する主要パーツがファインチューニングされていて、調整用ソフトウェアも専用にカスタマイズされた特別バージョンとなっている。

価格は以下のとおりだ。『STATE A6R kishi model』が50万円(税抜)、『STATE A6R kishi model DUAL』が100万円(税抜)、『STATE A6R kishi model MONO』が300万円(税抜)となっている。

このように、特別な存在である“ビーウィズ”の「プロセッサー」。それだけにこれを用いると、究極的なシステムの構築も可能となる。人とは違った“スーパー”な再生環境を手にすることに興味があれば、これのチェックをぜひに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

《太田祥三》

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