宇都宮ライトレールは高速鉄道か? はたまた急勾配・S字カーブの登山電車か?…鬼怒川橋りょう付近[フォトレポート]

緩急接続に対応した配線のグリーンスタジアム前電停
  • 緩急接続に対応した配線のグリーンスタジアム前電停
  • 清原地区市民センター前電停。この右側にトランジットセンター(交通結節点)ができる
  • 清原地区市民センター前電停周辺イメージ
  • 宇都宮ライトレール 路線図
  • 宇都宮ライトレール新型車両、新潟トランシス製 HU300形
  • 清原地区市民センター前電停。この奥にトランジットセンター(交通結節点)ができる
  • 清陵高校前電停と清原地区市民センター前電停の間にできたS字カーブ
  • 清陵高校前電停と清原地区市民センター前電停の間にできたS字カーブ

2023年開業をめざし建設工事がすすむ、国内初の新規次世代型路面電車システム(LRT)といわれる宇都宮ライトレール(芳賀・宇都宮LRT)14.6km。途中、鬼怒川を横切るエリアでは高速鉄道の高架区間を想わせるコンクリート構造物が出現し始めた。

宇都宮ライトレールは、JR宇都宮駅から東へ、鬼怒川を渡り、ホンダの拠点が集結する芳賀・高根沢工業団地へとむかうLRT(Light Rail Transit)。新潟トランシス製の新型3連低床式路面電車 HU300形が最高時速40km/hで走り、宇都宮駅東口電停から宇都宮大学陽東キャンパス電停まで11分、グリーンスタジアム前電停まで27分、芳賀・高根沢工業団地電停まで44分で結ぶ。

計画では普通と快速を設定し、宇都宮駅東口~芳賀・高根沢工業団地を快速は、普通よりも7分早い37分で結ぶ。その重要な電停のひとつが、グリーンスタジアム前。

緩急接続・折り返し運転ができるグリーンスタジアム前電停

宇都宮ライトレール 路線図宇都宮ライトレール 路線図清原中央通り沿いに出現したグリーンスタジアム前電停は、自動車道路の片側に複線線路を敷くサイドリザベーションタイプ。十字路を隔てて上りホーム(宇都宮駅東口方)と下りホーム(芳賀・高根沢工業団地方)を分離させ、その両方とも島式ホームをつくっている。

グリーンスタジアム前電停は、この島式ホームで、前述の快速と普通の緩急接続ができるように仕立てている。さらに、上りホームには、下り線から上り線へと転線できる渡り線が設置され、グリーンスタジアムで開催されるイベントなどへの対応輸送時に折り返し運転などもできる。

清原地区市民センター前電停は広大な交通結節点に

清原地区市民センター前電停。この奥にトランジットセンター(交通結節点)ができる清原地区市民センター前電停。この奥にトランジットセンター(交通結節点)ができるグリーンスタジアム前電停を出た宇都宮駅東口行き電車は、東洋紡 宇都宮工場の手前で右折。次の清原地区市民センター前電停は、自転車・バス・タクシー・自動車(パークアンドライド)地域内交通と接続するトランジットセンター(乗り換え結節点)をつくる。すでに電停ホームやシェルター(利用者誘導路・屋根)が出現している。

この清原地区市民センター前電停の先に、宇都宮ライトレール地平線路のS字カーブがある。このS字カーブ区間は、もともと90度クランクの自動車道路をなめらかなカーブで結ぶように改良・整地した。2021年6月時点のGoogleマップには、直角クランクのままの道路が表示される。

直角クランク道路を削ってS字カーブ線路を敷設

清陵高校前電停と清原地区市民センター前電停の間にできたS字カーブ清陵高校前電停と清原地区市民センター前電停の間にできたS字カーブ清陵高校前電停を背にし、鬼怒川橋りょうへむけて下っていく勾配をみる清陵高校前電停を背にし、鬼怒川橋りょうへむけて下っていく勾配をみるS字カーブの先、宇都宮駅方に清陵高校前電停(仮称 作新学院北)。相対式ホームが出現していた清陵高校前電停を背にして宇都宮駅方をみると、鬼怒川の谷へと下っていく勾配がみえる。

この勾配から先は、民有地を取得してつくった専用軌道の高架区間となり、クルマや自転車、徒歩などでその高架線をたどることはできない。そこで清原学園通りへと出て、鬼怒川の方角をみると、茨城・栃木の名物 栗畑のむこうに橋脚や高架線がみえた。

飛山城跡電停付近の高架線わきにPCまくらぎの山

鬼怒川橋りょうへむけてのびる宇都宮ライトレール高架橋鬼怒川橋りょうへむけてのびる宇都宮ライトレール高架橋PCまくらぎが整然と積み上げられた飛山城跡電停付近PCまくらぎが整然と積み上げられた飛山城跡電停付近のどかな田園地帯に、擁壁や高架橋の白いコンクリート構造物が出現した、鬼怒川エリア。この付近の高架線は、高速鉄道を想わせる重厚な構造物が連続し、その途中にできる飛山城跡電停(仮称 下竹下)予定地付近には、PCまくらぎが整然と積み上げられて設置準備中。高さ制限3mの架道橋もあった。

鬼怒川右岸(東側)の河川敷、Googleマップで「国土交通省 関東地方整備局 下館河川事務所 石井出張所」と記されたポイント付近に立って、宇都宮ライトレールの軌道を遠望する。

重厚なアーチ型PC橋と太い橋脚、最もインパクトのある“路面電車区間”

宇都宮ライトレール鬼怒川橋りょう宇都宮ライトレール鬼怒川橋りょうこの先、宇都宮ライトレールは鬼怒川左岸(西側・宇都宮駅方)へと行くと、巨大な検修庫を構える車両基地を経て、専用軌道から再び併用軌道へと移り、線路は道路といっしょに宇都宮駅へとすすむ。

自動車道路との併用区間(併用軌道)が9.4km、高架線などの専用軌道が5.1kmの宇都宮ライトレール。そのなかでも、この鬼怒川橋りょうと鬼怒川両岸の専用軌道が、路面電車イメージでみていくと最もインパクトのある区間とみえた。
線路や高架橋、ホームが出現し始めた宇都宮ライトレール…工業団地エリア[フォトレポート]

《レスポンス編集部》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集