その終点、芳賀・高根沢工業団地電停(栃木県芳賀町)側から建設現場をクルマでたどると、併用軌道・高架軌道などの構造物のほか、急勾配のアップダウンやS字カーブ、起伏のある土地を地平と高架で結ぶ軌道がみえてきた。
◆最高速度40km/h、JR宇都宮駅東口から終点の芳賀・高根沢工業団地まで44分

最高速度40km/hで走り、JR宇都宮駅東口から宇都宮大学陽東キャンパスまで11分、グリーンスタジアム前まで27分、芳賀・高根沢工業団地まで44分(快速37分)で結ぶ。
◆終点付近の線路や電停は道路中央に敷くセンターリザベーション

2021年6月時点では、かしの森公園通り「LRT整備のため道路を拡幅しています」という看板がたち、歩道の街路樹が根本から切り取られていた。本田技研北門終点付近に線路や電停はまだ出現していない。この付近の計画図は、線路や電停は道路中央に敷くセンターリザベーションで描かれている。
◆オートテクニックジャパン本社付近を谷とする長く深いアップダウン

宇都宮駅東口行き電車は、このアップダウンを越えると、管理センター前交差点で右折。県道69号宇都宮茂木線へと入り、野高谷町交差点までセンターリザベーションの線路を行く。現時点では道路拡幅工事中で、線路などは出現していない。
また、この管理センター付近には、本田技研工業品質改革センターやホンダテクノフォート、ショーワ4輪開発センター、ジェイアールバス関東 宇都宮支店などが並ぶ。管理センター電停には、デマンド交通に対応するトランジットセンター(乗り換え施設)がつくられる。
◆清原中央通りには逆三角形型の高架橋脚や高架線路が出現

清原中央通りの宇都宮ライトレール軌道は、これまでの道路中央から道路東側へと敷設位置を変え、カルビー・ミツトヨ・デュポン・日本山村硝子・キヤノン・東京応化工業・新陽メタルビー・石川ガスケットなどの拠点が集結する清原工業団地へと続く。
◆高架橋で深い谷をクリアし、長府製作所 宇都宮工場付近で地平の線路へ

このあたりは、すでに線路が敷かれているほか、信号設備などの基礎工事も終えている。架線柱も一定間隔に設置され、複線線路の中央に1本立つスタイルから、線路両脇から2本で支える架線柱まで、いろいろ出現している。また、グリーンスタジアム前電停はすでにホームやホーム上屋、スロープなどが出現し、地上から上へと縦に連なる出発信号機らしき設備もあった。
宇都宮ライトレールの終点、芳賀・高根沢工業団地 電停(本田技研工業 生産本部 栃木オフィス付近)から宇都宮駅へむけて工事現場をクルマでたどる時間。このグリーンスタジアム前電停から先は、路面電車とは思えない、新規高速鉄道を想わせる風景が待ち構えている。

宇都宮ライトレールは高速鉄道か? はたまた急勾配・S字カーブの登山電車か?…鬼怒川橋りょう付近[フォトレポート]