フォード マスタングEV、米大陸横断チャレンジ開始…112年前の「モデルT」の挑戦をふたたび

1回の充電での航続は最大483km

50日間で米国の20州およそ1万0460kmを走行予定

112年前の1909年にモデルTが米大陸横断ロードレースに参加

フォード・モデルT と マスタング・マッハE。米大陸横断チャレンジ
  • フォード・モデルT と マスタング・マッハE。米大陸横断チャレンジ
  • フォード・マスタング・マッハE の米大陸横断チャレンジ
  • フォード・マスタング・マッハE の米大陸横断チャレンジ
  • ヘンリー・フォードが モデルT で挑んだ米大陸横断ロードレース(1909年)
  • フォード・モデルT(1908年)
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  • フォード・マスタング・マッハE
  • フォード・マスタング・マッハE

フォードモーターは5月17日、フォード『マスタング』シリーズのEV、『マスタング・マッハE』(Ford Mustang Mach-E)が米国の東海岸から西海岸まで、大陸横断チャレンジを開始した、と発表した。

1回の充電での航続は最大483km

マスタング・マッハEは、後輪駆動の「スタンダードレンジRWD」仕様の場合、最大出力266hp、最大トルク43.8kgmを引き出す。4WDの「スタンダードレンジeAWD」の場合、最大出力は266hp、最大トルクは59.2kgmを獲得する。

上位グレードの「エクステンディッドレンジRWD」の場合、最大出力は290hp、最大トルクは43.8kgmを引き出す。4WDの「エクステンディッドレンジeAWD」仕様は最大出力346hp、最大トルク59.2kgmへ引き上げられる。フォードモーターによると、0~96km/h加速は5秒台の半ばという。

マスタング・マッハE には、2種類のリチウムイオンバッテリーを用意する。スタンダードレンジRWDとスタンダードレンジeAWDは、蓄電容量が68kWhだ。後輪駆動モデルの場合、1回の充電での航続は、最大370kmに到達する。エクステンディッドレンジRWDとエクステンディッドレンジeAWDは、蓄電容量が88kWhに増える。後輪駆動モデルの場合、1回の充電での航続は、最大483kmに到達する。

50日間で米国の20州およそ1万0460kmを走行予定

フォードモーターは、このマスタング・マッハEを使って、米国の東海岸から西海岸まで、大陸横断チャレンジ「Ocean to Ocean Reimagined」を開始した。東海岸のニューヨークを出発した2台のマスタング マッハEは、西海岸のワシントン州シアトルを目指す。50日間で20州、およそ6500マイル(約1万0460km)を走行し、マスタング・マッハEの機能と技術を実証する予定だ。

今回の挑戦は、米国で20世紀初頭に生まれた『モデルT』(T型フォード)に敬意を表して行われる。モデルTは1908年のデビューから1927年までの間に、大量生産システムによるコストダウンや運転の簡素化など数々の技術革新を成し遂げ、1500万台以上が生産されて自動車の大衆化に大きく貢献した。

モデルTが社会にもたらしたものは、自動車の枠にとどまらず、人の移動や物流システムを大きく変化させ、都市計画やライフスタイル、人々の意識までも変容させるイノベーションそのものだったという。ヘンリー・フォードが モデルT で挑んだ米大陸横断ロードレース(1909年)ヘンリー・フォードが モデルT で挑んだ米大陸横断ロードレース(1909年)

112年前の1909年にモデルTが米大陸横断ロードレースに参加

フォードモーターを創設したヘンリー・フォードは、今から112年前の1909年6月1日、米国で行われた最初の大陸横断ロードレースに、2台のモデルTで参加した。ニューヨークを起点に開催されたこのレースは、当時登場したばかりの自動車の耐久性や動力性能を試すのが目的だった。

東海岸のニューヨークを出発したモデルTは、およそ23日間で4106マイル(約6600km)を走破し、西海岸のワシントン州シアトルの万国博覧会の会場でゴールした。平均車速はおよそ12.5km/hだった。

今回モデルTは、ニューヨークで大陸横断チャレンジを開始した2台のマスタング・マッハEを先導した。シアトルではモデルTが、2台のマスタングマッハEを、ゴールラインへ導く役割を担う予定だ。

フォードモーターのグローバルブランドEV担当、ジェイソン・カストリオタ ディレクターは、「モデルTがモータリゼーションをもたらしてから1世紀以上を経て、マスタング・マッハEはフルEVにスリルと情熱を吹き込んでいる。今回の東海岸から西海岸へのチャレンジが、1909年にヘンリー・フォードが挑んだレースのように、フォードとマスタングの歴史における新しい1章になることを願っている」と語っている。

《森脇稔》

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