川崎重工、最終赤字193億円---コロナ禍で航空機エンジン事業が不振 2021年3月期決算

中型旅客機用V2500ターボファンエンジン
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川崎重工業は5月11日、2021年3月期(2020年4月~2021年3月)の連結決算を発表。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染拡大の影響が大きく、大幅な減収・減益、193億円の最終赤字となった。

売上高は前期比9.3%減の1兆4884億円。精密機械・ロボット事業などが増収となる一方、航空宇宙システム事業などが減収となった。営業損益はモーターサイクル&エンジン事業の改善はあったものの、航空宇宙システム事業での悪化などにより、53億円の営業赤字(前期は620億円の黒字)となった。経常損益は為替差損益の好転や民間航空エンジンの運航上の問題に係る引当金戻入益の計上はあったものの、営業損失の発生により、28億円の経常赤字(前期は404億円の黒字)。最終損益は193億円の赤字(前期は186億円の黒字)となった。

モーターサイクル&エンジン事業は、北米向け四輪車等オフロードモデルの増加はあったものの、東南アジア向け二輪車が減少したことや、前期に比べ為替レートが円高で推移したことなどにより、売上高は同0.4%減の3366億円。営業利益は、固定費や販促費の削減などにより、117億円の黒字(前期は19億円の赤字)となった。

2022年3月期の連結業績については、収益認識に関する会計基準の適用によって航空宇宙システム事業が減収となるものの、車両事業、モーターサイクル&エンジン事業等での増収が見込まれることから、売上高は前期比0.8%増の1兆5000億円となる見通し。利益面では、航空宇宙システム事業にて民間航空機の運航時間の回復に伴い民間航空エンジン分担製造品の採算が改善するほか、モーターサイクル&エンジン事業における売上の増加に伴う利益増加等により、営業利益300億円、経常利益200億円、純利益170億円となる見通しを示した。

《纐纈敏也@DAYS》

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