スズキ 長尾常務「インドは期を追って挽回」…第3四半期営業利益は1388億円

スズキ・ソリオバンディット
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  • スズキ長尾正彦常務役員(参考写真)

スズキが2月5日に電話会議で発表した2021年3月期の第3四半期(4~12月期)連結決算は、主力のインド販売が回復基調を続けており、営業利益は前年同期比19%減の1388億円となった。通期予想は据え置いた。

第3四半期累計の四輪車グローバル販売は19%減の175万6000台となった。インドは18%減の88万4000台だったが、7~9月期は20%増、10~12月期は11%増と着実な回復を見せた。日本の第3四半期累計も新モデル効果などで9%減にとどめ、44万3000台の販売となった。

第3四半期の営業減益要因では、販売の減少および原材料費の上昇分が1462億円に及んだ。為替もインドルピーなどほぼ全通貨に対して円高となり、全体で153億円の減益に作用した。一方で固定費など諸経費の削減は859億円を積み上げた。また、コロナ禍による工場操業停止に伴う損失154億円(固定費相当額)を営業損益から特別損失に振り替えている。

売上高は17%減の2兆1755億円、純利益は3%減の1132億円となった。一方、通期の業績予想は咋年11月に公表した営業利益1600億円(前期比26%減)、純利益1100億円(18%減)、売上高は3兆円(14%減)の数値を据え置いた。前提となる四輪車グローバル販売も不変で、17%減の237万8000台としている。営業利益段階では販売減や構成変化による減益影響を1512億円と見積もっている。

電話会議に出席した長尾正彦常務役員は、インド事業について「期を追うごとに挽回ができている」と評価した。また、世界的な半導体不足の生産への影響については「状況を注視していくが、今のところ工場を止めるような影響は出ていない。残業や休日出勤を見直す程度であり、減産ではない」と説明した。

それよりもロジウムなど排ガス触媒に使う原材料の価格上昇が進んでいることに警戒を示し、通期の業績予想を据え置いた理由のひとつに挙げた。コロナ禍の不透明さなども勘案し、先行きは「堅めに見ざるを得ない」と指摘した。

《池原照雄》

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