【メルセデスベンツ GLS 新型試乗】“メルセデスらしさ”への期待に応えてくれる…九島辰也

総体的な印象はそのままに、エクステリアは進化

インテリアは最新仕様に大胆変更

GLSの得意分野は高速道路

2006年の『GL』誕生から数えて3世代目のモデルチェンジとなった新型『GLS』。メイングレードは、3リットル直6ディーゼルターボを搭載した「GLS400d 4MATIC」と4リッターV8ツインターボの「GLS580 4MATIC」。さらにAMGの「GLS 63 4MATIC+」が加わった。400d以外はISG/48Vの付いたマイルドハイブリッドだ。

総体的な印象はそのままに、エクステリアは進化

試乗したのはディーゼルエンジン車の方で、最高出力は330psを発揮する。従来型にも「GLS350d 4MATICスポーツ」があったがそれとは別。そちらはV6ユニットで新型は直列6気筒になるからだ。新型はより排出ガスをクリーンにした高効率ユニットである。

目の前にしてすぐにわかるのがフロントマスクの意匠変更。グリルやヘッドライトの形状が変わる。また、全体的にも最近メルセデスが採用しているデザイン思想「Sensual Purity(官能的純粋)」のもと、エッジの効いたラインの少ない面構成でのデザインとなった。要するに確実に進化させているということだ。

とはいえ、ご覧のように総体的な印象はそのまま。このマーケットは保守的なのか実に巧妙に仕上げている。

インテリアは最新仕様に大胆変更

メルセデスベンツ GLSメルセデスベンツ GLS
それに比べ、インテリアは大胆に進化した。従来型との違いはドライバーズシートに座ると一目瞭然で、新型『Aクラス』からスタートしたMBUX搭載の最新のインターフェイスが出迎える。液晶モニターでほとんどの操作を行うことで、スイッチ類を極端に減らしたダッシュパネルだ。

シートは全グレード前から2/3/2の配列。使い勝手がいいのは2列目で、前後に電動でスライドさせることも、3分割に倒すことも可能とする。スライド量の多さは3列目の乗り降りにも関わる重要な部分だ。その3列目に充電用のUSBポートが用意されているのはちょっと嬉しい。

GLSの得意分野は高速道路

では走らせた印象だが、今回は都内から房総半島という試乗ルート。なので、ほぼ高速道路であったが、それがGLSの得意領域であることはよくわかった。とにかく、心地いい。

具体的には安定感が高い。3135mmというホイールベースはキャビンを広くするだけでなく、乗り味にも直接的に貢献する。そして、そこにAIRMATICと呼ばれるエアサスペンションがうまい具合にシンクロする。複数のセンサーと複雑なアルゴリズムを用いて路面状況に減衰特性を合わせることで、いかなる時もキャビンをフラットに保とうとするのだ。

メルセデスベンツ GLSメルセデスベンツ GLS
まぁ、正直それが瞬間的にどう変動させるのかは判断できないが、フラットライドを司っていることは体感できる。これなら2列目はもちろん、3列目でも快適な乗り心地は期待できそうだ。

そしてこの安定感は、高速時での車線変更や高速出入口のコーナーでもしっかり保たれる。これだけ大きなボディでいながらステアリング操作に対する反応がよく、揺り返しも抑えられるのはお見事。この辺はメルセデスベンツ開発陣の意地ともいえるだろう。

GLSのメインマーケットは北米と中国。つまり、日本よりも路面状態の劣悪な高速道路は多い。それを鑑みるとこの乗り心地と安定感は必須なのかもしれない。ラダーフレームのリジッドアクスルとは大違いだ。いずれにせよ、このサイズでメルセデスらしさを期待しても応えてくれるクルマであることは間違いない。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。『Car EX』(世界文化社 刊)副編集長、『アメリカンSUV』(エイ出版社 刊)編集長などを経験しフリーランスに。その後メンズ誌『LEON』(主婦と生活社 刊)副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの"サーフ&ターフ"。 東京・自由が丘出身。

《九島辰也》

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