[カーオーディオ 専門用語をやさしく解説]ケーブル関連…主に3タイプ

パワーケーブルの一例(モンスターカーオーディオ)。
  • パワーケーブルの一例(モンスターカーオーディオ)。
  • ラインケーブルの一例(モンスターカーオーディオ)。
  • スピーカーケーブルの一例(モンスターカーオーディオ)。

とかく専門用語が登場するカーオーディオ。そうであるがゆえにこれを“とっつきにくい”と感じているドライバーも少なくないようだ。そんな思いを軽減していただこうと「用語解説」を展開している。今回は、「ケーブル」に関連したワードにスポットを当てていく。

カーオーディオで使われる「ケーブル」は、主には3タイプがある!

カーオーディオでは、絶対的に「ケーブル」が必要だ。ユニットだけを用意しても音は出ない。「ケーブル」を用いて電気を供給し音楽信号を伝送しなければ、システムは動かない。

ところでカーオーディオで使われる「ケーブル」は、主には3種類が存在している。1つが「パワーケーブル」で、2つ目が「ラインケーブル」、そして3つ目が「スピーカーケーブル」だ。

それぞれの特長を「用語解説」的に説明していこう。まずは「パワーケーブル」から。これはその名のとおり、電気を供給するためのケーブルだ。そしてケーブルの構造も基本的にシンプル。電気を伝送するための「導体」を「被膜」で覆い、1本単位で完成形となっている。

なお「パワーケーブル」は、“太さ違い”がラインナップされることが多い。状況によって使い分けがされるからだ。使用するユニットの消費電力が多い場合には太いケーブルが使われ、それほど多くの電力を必要としないときには細いケーブルが用いられる。で、ケーブルの太さは「ゲージ」という単位で示される。そして「ゲージ」の数字が小さくなるほど「ケーブル」は太くなる。つまり「ゼロゲージ」がもっとも太い。

ちなみに、プラス側では赤い「パワーケーブル」が使われることが多く、マイナス側では黒い「パワーケーブル」が使われることが多い。使用時にそのケーブルがプラス側の配線なのかマイナス側の配線なのかを判別しやすいように、色違いのケーブルが用意されることが多くなっている。ただし基本的には、赤色のケーブルと黒色のケーブルとがセットで売られているわけではない。ユーザーは1本1本、個別に購入することとなる。

「ラインケーブル」には、他の呼び名がもう3つある!?

続いては、“信号系”のケーブルについて解説していこう。まずは「ラインケーブル」から。最初に役割を説明しよう。「ラインケーブル」とはつまり、「パワーアンプ」で増幅される前の微弱な状態の音楽信号を伝送するための「ケーブル」だ。なおこれには、ほかにあと3つの呼び名が存在している。1つは「RCAケーブル」で、2つ目が「オーディオケーブル」、そしてもう1つが「インターコネクトケーブル」だ。

ちなみに「RCA」とは、プラグの形状の名称だ。中央にピンが出ていてその周囲をぐるりと筒型の接触面が囲むという形状のプラグが「RCAプラグ」と呼ばれている(2枚目の写真参照)。なお、「ラインケーブル」の端子のタイプは他にもいくつかあるのだが、カーオーディオにおいてはこのタイプが使われることがほとんどだ。ゆえに、「ラインケーブル」のことが「RCAケーブル」と呼ばれることが多くなっているというわけだ。

で、あとの2つは、単なる別称だと思っていい。メーカーによって呼び方が変わることがある、ということだけ頭に入れておこう。

ところで「ラインケーブル」は、他の「ケーブル」と比較して構造的な違いが多い。まず、先端にプラグが装着されていることが「ラインケーブル」ならではの特徴で、さらには1本の中にプラス線とマイナス線の両方が仕込まれていることもこれならではの構造だ。そして、基本的には2本1組となった状態で製品化されている。つまり、「Lch」と「Rch」用のケーブルが一対となって売られている、というわけだ。

「スピーカーケーブル」は、プラス線とマイナス線が2本1組となって製品化!

次いでは「スピーカーケーブル」について解説していこう。まずは仕様から。「スピーカーケーブル」はその他の2つの中間的な仕様となっている。プラス線とマイナス線が2本1組みとなってはいるが、「Lch」と「Rch」それぞれで1本(1組み)ずつを用意する必要がある。また、「マルチアンプ接続」がされる際には、1つのスピーカーユニットに対して1本(1組み)を用意することとなる。つまりフロント2ウェイを「マルチ駆動」する際には計4本(4組み)が必要となる。

ところで先述したとおりカーオーディオ用のケーブルにおいては、先端に端子(プラグ)が装着された状態で製品化されているのは「ラインケーブル」のみだ。なので「スピーカーケーブル」と「パワーケーブル」は、使用時にケーブルの被膜をむいて中の導体を露出させるという作業が必要となる。しかし「ラインケーブル」は先端がプラグ化されているので接続作業を簡単に行える。扱いが楽だ。

しかしその仕様ゆえに、通常「ラインケーブル」は切り売りされることがない。ユーザーは必要な長さを測り、その長さをまかなえるモデルを購入するという形を取ることとなる。対して「パワーケーブル」と「スピーカーケーブル」は切り売りされることがほとんどなので、必要な長さに対してほぼほぼジャストな分量だけを購入できる。

なお、「パワーケーブル」も「スピーカーケーブル」も、使用時には先端になんらかの端子が装着されることも多い。この端子にもさまざまなタイプがある。“オス型”と“メス型”とがある「ギボシ端子」や、「リング型」「Y字型」「平型」等々があり、用途によって使い分けられる。

さて、当特集は今回を持って終了とさせていただく。カーオーディオでは難解な専門用語が頻出する。もしも分からない用語に出会ったら、当特集の過去記事を検索いただき、役立てていただけたら幸いだ。

《太田祥三》

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