【インディアン FTR1200ラリー 試乗】正真正銘ストリートトラッカーはケタ違いの走りが楽しめる…青木タカオ

PR
インディアン FTR1200ラリー
  • インディアン FTR1200ラリー
  • インディアン FTR1200ラリー
  • インディアン FTR1200ラリー
  • インディアン FTR1200ラリー
  • インディアン FTR1200ラリー
  • インディアン FTR1200ラリー
  • インディアン FTR1200ラリー
  • インディアン FTR1200ラリー

90年代に200~400ccくらいの単気筒エンジンを積む、比較的構造やスタイルがシンプルなバイクをカスタムする「トラッカーブーム」が起き、ファッションやカルチャーに敏感な若者たちを中心にストリートで流行したのは、バイク乗りたちの間ではわりと有名な話し。

“キムタク”こと国民的スター木村拓哉さんもTVドラマの中で乗るほどの人気ぶりで、そのスタイルは原宿や渋谷あたりから一気に全国にまで拡がっていった。

本場アメリカからレース直系マシンが上陸!!

そもそも「トラッカー」はアメリカで盛んなダート競技マシン「フラットトラッカー」に由来するものの、オーバルコースを左回りするそのレースが世界最高峰のグランプリレーサーを数多く輩出してきた偉大なる競技であり、日本からもそこを目指し沢山のライダーが渡米したことをいくら説いたところで、ここ日本の若者の大半は今も昔もほとんど関心がなく、当時もただただ「ストリートトラッカー」という言葉だけが一人歩きしていくのだった。

だから、ストリート向けフラットトラッカーというと、そんなカスタムシーンを思い浮かべる人も少なくないかもしれない。しかし、ブームから20年以上を経て、正真正銘の“ホンモノ”がついにアメリカから上陸した。

インディアン FTR1200ラリーインディアン FTR1200ラリー
インディアン『FTR1200ラリー』だ。インディアンモーターサイクルはフラットトラック全米選手権に2017年に復活し、なんと3年連続チャンピオンの栄冠に輝く実力者。

フラットトラックレーサーのDNAを宿す公道向けモデルが、2018年秋のINTERMOT(ドイツ・ケルン二輪国際見本市)でデビューした『FTR1200/S』で、『FTR1200ラリー』はそのバリエーションモデルとして新登場した。

よりダート色の濃い“ラリー”は都会にも映える

インディアン FTR1200ラリーインディアン FTR1200ラリー
フロント19/リヤ18インチという一般的なロードスポーツモデルより大きいホイールは、衝撃吸収性に優れることからオフロードバイクによく見られるクロススポーク仕様で、タイヤも未舗装路に強いブロックパターンを履く。

ハンドルは悪路でも抑えが効くよう50mm高いアルミ製テーパードバーが標準装備され、乗ると両ヒジが張ったような格好になりワイルドとしか言いようがない。

そしてテールエンドはバッサリとカットされ、余計なものは一切省いた。シートエンドにはテール/ブレーキランプのみを備え、ナンバープレートやウインカーをスイングアームマウントのライセンスプレートホルダーに装備する手法で、スタイリッシュなリヤビューを獲得している。

この軽快感あるカスタムスタイルは、トラッカーブームの頃から見られ、逆に言えば野暮ったい重苦しいテールエンドなどあり得ない。決して初ではないものの、カスタムシーンから生まれたユーザーが求むフォルムをメーカーが新車時から実現してくるとは、見事としか言いようがない。

インディアン FTR1200ラリーインディアン FTR1200ラリー
フラットトラックにルーツを持ちながらも敏感なセンスを持つ若者たちにストリートでリメイクされたトラッカースタイルは、インディアンによって現代的に解釈され、またここに誕生している。

そんな精悍なプロポーションは飛躍的に進化した街や我々の暮らしによく馴染み、言うまでもなくかつてのストリートカスタムとは一線を画している。溶接箇所が多く、高い技術力が必要で大量生産には向かない鋼管スチール製トラスフレームに、1200ccもの排気量を持つVツインエンジンが積み込まれ、音やボリューム感、迫力そして凄みはケタ違いと言っていいだろう。

レーシングスピリットとともに創業1901年、アメリカ最古のブランドという伝統が生む、大人のための上質さもあり、外国車を所有する歓びもそこには存在する。ただ者ならぬオーラを放ち、颯爽と都会を駆け抜ければ、目をひかないわけがないのだ。

しかしなぜストリートで、フラットトラッカーなのかだが、乗ればわかるように低中回転域からエンジンが太いトルクを発揮し、これが常用回転域、つまりストップ&ゴーを繰り返す街中で“ちょうどいい”。というか、すべてを置き去りにするほどすばしっこく走れてしまう。

インディアン FTR1200ラリーインディアン FTR1200ラリー
水冷60度Vツインエンジンは、高回転域までパワフルに回るDOHC4バルブを採用。最高出力123PSを発揮し、右手のスロットル操作にリニアな反応を見せ、猛然と加速する。シンプルで軽量な車体は扱いやすく、視線が高く先を読みやすいライディングポジションも市街地で威力を発揮するのも付け加えておこう。

都会を離れれば、猛獣と化す実力マシン!!

インディアン FTR1200ラリーインディアン FTR1200ラリー
もちろん、活躍の場はアーバンシーンだけではない。そこは1200ccもの大排気量車がゆえに、むしろ郊外でこそ本来の実力を発揮してくれる。

まず高速道路。トップギヤ6速での100km/h巡航は3600rpmほどでこなし、心臓部はそこからもまだまだ余力タップリと言わんばかり。最大トルク120Nmを6000rpmで発揮しても、レブリミッターが効く9000rpmまで元気に回っていく頼もしいパワーユニットとなっていてハイウェイクルージングもペースがどんどん上がっていく。

ハンドル左にはクルーズコントロールのスイッチも備わり、これをセットすれば一定速度で快適に走り続けられる。『FTR1200ラリー』にはウインドスクリーンも標準装備され、これがコンパクトながら防風効果を発揮し、高速走行も得意としている。

インディアン FTR1200ラリーインディアン FTR1200ラリー
ワインディングでは水を得た魚のように実力を存分に発揮でき、レースで鍛えられた遺伝子が目を覚ます。転がりの軽いタイヤがハンドリングをより軽快にし、つづら折れのカーブも待ち遠しい。

座面がフラットで体重移動しやすいシートがスポーツライディングを手伝い、150mmのストローク量を持つ前後サスペンションがしなやかに動きつつ、踏ん張りの欲しいところではしっかりこらえ、足まわりもハードな走りに応えてくれる。ラジアルマウントキャリパー+320mmディスクの前輪ブレーキなど一線級の装備を持ち、ブレーキの効き、タッチ、コントロール性も申し分ない。

インディアン FTR1200ラリーインディアン FTR1200ラリー

大人の空間が似合うワンランク上の相棒

アグレシッブな走りでコーヒーブレイクがしたくなったら、たとえば箱根・伊豆方面ならインディアンモーターサイクルのバイクに無料で場内試乗できるキャンペーンを実施中(試乗車:スカウト100周年モデル・5月31日まで)の「バイカーズパラダイス南箱根」(静岡県函南町、2輪/3輪500円=1台/1日、詳細はこちら)がいい。ゆったりとリラックスできる上質な空間でティータイム。クリーンな化粧室は女性にはもちろん、男性にだって嬉しい。

インディアン FTR1200ラリーインディアン FTR1200ラリー
普段はストリートの相棒、休日は郊外でアツい走りを楽しむ。『FTR1200ラリー』でこんなバイクライフはいかがだろうか。

■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
コンフォート:★★★★
足着き:★★★★
オススメ度:★★★★★

インディアン FTR 1200ラリーの詳細はこちら

青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集