[自転車保険]子供が加害者で親に9000万円以上の賠償命令---自己破産でも支払い義務は消滅しない

事故というのは予期することができず、ある日突然訪れる不幸です。


事故で被害者となり身体に障害を負ってしまうということも考えられます。


しかし、もっと怖いのが加害者となってけがを追わせてしまうケースです。


子どもが事故を起こしてしまった際の親の考えとしては「子どものしたことだから」で済ませたい人も多いと思います。


しかし、自転車事故は子どもでも大人でも同じように賠償責任がありますので、万が一のことを考えて備えておくのが賢明です。


今回は自転車事故や自転車保険について紹介していきます。



自転車保険の義務

自転車事故の加害者となる割合は圧倒的に子どもが多い


自転車の事故というと、通学中に子どもが巻き込まれてけがを負ってしまうことをイメージする人が多いようです。


確かに、大人に比べると子どものほうが自転車に乗っている割合が高いので被害者になりやすいのは子どもや高齢者です。


子どものほうが自転車に乗っている割合が高いため、加害者となってしまう割合も大人に比べて高いのです。


平成31年に警察庁交通局が出したデータでは、平成26年~平成30年の年齢層別事故件数で全体の36%が「10歳~19歳の子どもたち」で加害者となっていました。


参照:警視庁(pdf)


件数は5年間で555件なので、単純に1年あたりにすると111件です。


この件数を多いと受け取るかどうかは人それぞれだと思いますが、自転車事故の3回に1回以上は「子どもたちが加害者になっている」ということを忘れないでください。


被害者には、いくらの賠償金を支払うのか


自動車事故の場合には、加入が義務付けられている自賠責保険や任意で加入している保険などから被害者への治療費や賠償金が支払われます。


しかし、自転車の場合には、一般的に加入の義務はなく、何も加入していないという人が多いのではないでしょうか。


ここからは、実際に起きた自転車事故でいくらの賠償金を支払うことになったのかということ見ていきましょう。


「被害者が植物状態」で約9,500万円の賠償命令


自転車事故の賠償命令の中でも最も有名なケースが、2008年9月に起きた事故です。


参照:神戸新聞


この事故は、小学生が乗った自転車にはねられた67歳の女性が植物状態になり、児童の母親に対して約9,500万円の賠償命令がくだされたというものです。


子どもが事故を起こした場合には、子ども自身が賠償するのではなく、監督責任のある親が賠償することになるのです。


「被害者が言語機能の喪失」で9,266万円の賠償命令


この事故は平成20年6月5日に東京地方裁判所で判決がくだされた判例です。


当時、高校生だった男子生徒が自転車横断帯のかなり手前から車道を斜めに横断したところ、自転車で直進していた24歳の男性会社員に衝突しました。


被害男性には言語機能の喪失などの重大な障害が残り、自転車同士の事故でしたが、加害者となった高校生の親に対して9,266万円の賠償命令がくだされたのです。


このように、自転車同士の事故でも自動車事故と同じように過失割合によって被害者と加害者に分かれます。


交通ルールを守っていない人の過失割合が高くなるので、加害者になってしまうわけです。


賠償金の支払い命令からは逃れられない


自転車事故の賠償命令に限らず


「賠償金の支払いができないくらいに高額ならば自己破産をすればよい」

という考えている人が多いようです。


ここでの注意点ですが、


損害賠償金は、破産法における免責の対象となっていないため、支払い義務が消滅しない

のです。

(免責許可の決定の効力等)
第二百五十三条 免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。
一 租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)
二 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権


破産法 第二百五十三条



そのため、自己破産しても一生をかけて償いをしなければならないのだということを忘れないでください。


自治体の中には自転車保険が義務化されている地域もある



自転車保険が義務化されている地域

自転車事故を起こしてしまった際に役立つのが自転車保険です。


自転車保険は、基本的には任意保険の一種で、事故で賠償金を支払わなければならなくなった際に、その賠償金を保険会社が支払ってくれるものです。


自動車保険と同様にさまざまなプランが用意されているので、自分にあったプランに加入するのがよいと言えます。


2020年現在、さまざまな自治体が自転車保険の加入に対して動き始めています。


既にいくつかの自治体では自転車保険の加入が義務付けられているので、該当する自治体に住んでいる人は自転車保険に加入しなければなりません


日本全国でみると関西圏は義務化となっているケースが多いようです。


大阪府
京都府
兵庫県
奈良県
滋賀県
東京都
神奈川県


義務化がまだの自治体でも万が一に備えて、自転車保険への加入義務化を検討したほうがよいと言えるでしょう。


自転車事故で人生を棒に振らないように


冒頭でも紹介したように事故というのは突然訪れるものです。


事故をしないように気をつけるのは当たり前のことですが、もしものときのための備えは大切です。


事故を起こしたことによって一生を棒に振るようなことをなくすために、自転車を利用する人には自転車保険の加入をおすすめします。


自動車保険と比較すると保険料も高くありませんので、まずは自分が利用している保険会社に資料請求してみるのがよいと思います。(執筆者:櫻井 隆弘)

《櫻井 隆弘》
【画像】[自転車保険]子供が加害者で親に9000万円以上の賠償命令---自己破産でも支払い義務は消滅しない(1枚)

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