走って納得、見て納得、そして家族も喜ぶ新しい車高調システム「BLITZ DAMPER ZZ-R SpecDSC PLUS」

全長調整式サスペンションと電子制御式の減衰力調整を組み合わせた車高調キット「BLITZ DAMPER ZZ-R SpecDSC PLUS」をインプレッション
  • 全長調整式サスペンションと電子制御式の減衰力調整を組み合わせた車高調キット「BLITZ DAMPER ZZ-R SpecDSC PLUS」をインプレッション
  • ロータリースイッチを回転させることで、簡単に調整ができるよう、前モデルからアップデート。お気に入りのセットをプリセットに登録すれば、回転して選択/長押しで簡単にプリセットを切替えることができる
  • デモカーのアルファードは約2トンの車重、20インチアルミホイール+低扁平タイヤの組み合わせ。足回りには厳しい要素が多いが、上質な乗り心地が味わえた
  • ワインディングに入ると車の振り幅が大きくなる。そんなときは足回りを固くすると、スムーズなコーナリングが可能に。このあたりの切替が「スペックDSCプラス」の強みだ
  • 上の写真がフロント/リアともに最も乗り心地の柔らかい“32”、下の写真が逆に最も硬い乗り心地となる“1”での走行。サスペンションを固めると車全体のロール量が減り、ミニバンとは思えない安定感!
  • 「BLITZ DAMPER ZZ-R」はブリッツのフルタップ式(※全高調整式)車高調整式サスペンション。32段の減衰力調整機構を採用し、幅広い減衰力調整が可能。あらゆる走行シーンに対応できる
  • 「SpecDSC PLUS」を装着することで、「BLITZ DAMPER ZZ-R」の32段階からさらに3分割した96段階の減衰調整が可能に。業界初のオートモードも搭載
  • ステッピングモーターにも“BLITZ”のロゴが。一度装着すると普段見ることはないが、細かい部分までクオリティが追求されている

「かつてはミニバンやコンパクトにはオーバースペックじゃないかと言われていたものをスタンダードで採用するところにこだわっています」

「スポーツカーに求められる性能領域やサーキットのタイムアタックをやってきたノウハウをミニバンなどにもフィードバックすること、またソコのスペックをあえて全車種で落とさないことにブリッツとしてこだわっています。たとえ軽自動車であってもです」(ブリッツ 企画部エキスパート 小林さん)

トータルチューニングパーツメーカーのBLITZ(ブリッツ)をご存知ですか。世の中のハイパワー化、ハイパフォーマンス化などが進み、ドレスアップやカスタムに色めきだっていた90年代。チューニングの文化を国内外に伝え、そのジャンルを支えてきた一メーカーだ。そんなブリッツも創業から約40年。その間、世の中のユーザー・ニーズも多様化し、モデルラインナップも変化している。

かつてスポーツカーに乗っていたブリッツのお客様も家族を持ったりアウトドアの趣味を持ったりとライフスタイルが変化。でもちょっと車高を下げて見栄えをスポーティにしたいけど、今は移動や運転の安心/快適も求めたい。そんな彼らの声もあって同社では10年ほど前からふだん使いのクルマの乗り心地やハンドリングを向上させるサスペンションキット(ざっくりと言えば、いわゆる足回り系)の開発/販売に力を入れているのだそうだ。

冒頭の一節はブリッツの商品企画を行うエキスパートの小林徹さんのコメント。ブリッツというメーカーをご存知の方ならこれだけで製品の魅力が伝わるかもしれない。が、チューニングメーカーの車高調整キットをVIPにも重宝されているトヨタ『アルファード』の最上級=最重量級モデルに装着するってアリなのか、ホントに良いのかというのが筆者である私の素直な疑問だった。

結果を先にお伝えしておくと、私にとっては過去の車高調整キットのハンドリングと快適性の一長一短がポジ/ネガだった性能パーツとしての印象が払拭され、さらに電子化が様々な分野で進む今だからこそこの技術が身近なクルマで共有できることを知った。

クルマをチューニングすることの“たのしさ”とは?

モータージャーナリスト 飯田裕子氏

一言でクルマのチューニングと言ってもパワートレイン(動力)やシャシー(車体や足回り)の様々なところに目的に応じて行うことができる。かつてそれは走り屋やレース用車両に施すイメージが強かったソレをブリッツはそのようなハードかつ繊細なドライビングを支えるパーツを開発していたノウハウも強みに、ドライバーのみならず同乗者にとっても常用で快適かつ楽しいカーライフを過ごせる車高調整キットを開発。それがいまや同社の主力商品として人気なのだそうだ。この10年ほどでブリッツが手がける車高調整キット類はスポーツカーのみならず、セダンやミニバン、コンパクトカーにSUV、軽自動車用と幅広いカテゴリーで、なんと300~400車種もあるのだとか。

スポーツカーやスポーツドライビング好きのローダウンって本来、性能も伴うというか性能が先で例えばコーナリングスピードをより安定的に高めるためにサスペンションストロークを調整した結果、車高が下がったとか、そういうのが本流なんだろうと思う。でも街なかではそういうスペックも“匂わせる”見た目が第一優先なこともある。が、私はそれも否定しないし、自動車メーカーのカーデザイナーの想いとは別の“こだわり”は永遠なのだろうか。

好みにもよるがクルマをあと少しローダウンさせる(車高が下げる)だけで佇まいに精悍さやスポーティさが増すこともあれば、ちょっと下品な感じになることもあるけれど、ちょいくずし、ダメージジーンズを履くような、ちょっと既存のカタからはみ出した感じが嫌いではない。ベタだけど、カッコイイ。少し話しは逸れるけれど、私にもローダウンの思い出がある。

昔々、自分もレースをしていたころ、弟(飯田章氏)のお手製レース車両のハチロクのハンドリングを向上させるため重心高を下げるべく、家の倉庫でスプリングを1巻半切る手伝いをしたことがある。結果、高速コーナーが走りやすくなりタイムもアップしたからそのときの改良は上手く成功したのだった。そのとき、レース車両ゆえ快適さを求めず性能向上のためにするローダウンの効果は見た目にもなんか速く走れそうなかっこよさを伴い、これぞまさに美談。

ちなみに当時、巷では高価ながらチューニングメーカーの車高調整キットも人気だった。お金に余裕のある人や大人たちはそちらを選んでいたようだけれど、それでもコーナリング性能やハンドリング重視でそれゆえ乗り心地は硬いというイメージがあった。いろんなキットがあったようだけど、当時の世の中のニーズは見た目のローダウンとスポーツドライビングのバランスと洗練にあった印象がある。

では時間軸を今に戻そう。

ブリッツの主力製品となったサスペンション「ダンパーダブルゼットアール」

冒頭でもご紹介したとおり、ブリッツではいま、ユーザーニーズの多様化に寄り添うようなサスペンション・チューニングキットが人気だ。今回ご紹介する「ダンパーダブルゼットアール スペックDSCプラス」は今年1月に発表されたばかりの全長調整式サスペンションと電子制御式の減衰力調整機構を組み合わせた車高調整キットとなる。新製品のポイントは“スペックDSCプラス”にあるけれど、先ずは10年ほど前から改良や車種拡大を継続して行っている「ダンパーダブルゼットアール」という車高調整キットをご紹介したい。

全長調整式とはバネの長さを変えずに車高調整=この場合はローダウンすることができる方式。また減衰力調整はダンパーがバネの伸び縮みを抑えようとする力の緩急を高めたり低めたりと調整することで乗り心地や挙動の安定性にも繋がる重要な部分となる。このサスペンション側のバネの動きを抑制する調整幅を32段階持ち、手動で調整する。ダンパーゼットアールの手動調整はスポーツカーならエンジンルームやトランクルームを開けてダイヤルを手動で回すことで変えられる。ただ今回のようなミニバン系、例えば今回のトヨタ アルファードなどはパッケージングを優先するためリヤの荷室内に調整ダイヤルを持たせるのは難しい。すると調整のたびにリヤタイヤを外さなければならない。結果、「そんな面倒な……」と結局は使われないことが多かった。

そして、いよいよ「スペックDSCプラス」について。車高調整キット部分は同じ。サスペンション側の調整幅32段階もついているけれど、モーターを使って電子制御で減衰力を自動で変えられる点が新しい。さらにDSCプラスでは既存モデルがただ減衰力を切り替えるだけの商品だったのに対し、Gセンサーを本体ユニットに搭載。これにより減衰力を自動で変えてもらえる“フルオートモード”が設定された。

製品本体にGセンサーを積むことで減衰力を自動に変えることができると聞くと他社にも似たような商品はあったけれど、今までは予めこのくらいのGがかかったら予め指定したおいた減衰力(段数)に切り替わる意味のオートだった。が、ブリッツのフルオートモードはGの値=車両の傾きをつねに見ていてバランスを元の状態に戻そう=保つための演算をずっと続ける。ブリッツ独自のアルゴリズムによって減衰力を自動で変化させる制御は業界初採用だという。運転の仕方や途中に乗車人数や荷物の積載量が変わりリヤが沈みがちならフロントを柔らかくするかリヤを固めるのかで車両の姿勢を元の状態に戻そうとコントロールする。これが今回の業界初のオートモードと呼ぶものとなる。これらに伴い、モーターの小型化や手元で好みのバランスを調整するコントローラー付ディスプレイのデザインも一新、ダイヤルの操作時の質感や使いやすさ、さらにオートモードのほかに好みのモードを22種類もメモリできる。

デモカーのアルファードに乗って、いざ実走インプレッション!

試乗車はアルファードのエグゼグティブラウンジ。これはVIP仕様とも言えるレザーシートや電装品盛りだくさんの最上級グレードにムーンルーフ(ガラス製だから重量も増す)も装着。パワートレインは2.5Lエンジン+モーターのハイブリッド。このように“あえて”車重の最も重い仕様を選び、その足回りにダンパーダブルゼットアールスペックDSCプラスを装着している。理由は軽いクルマのほうが性能を出すのはより簡単だけれど、あえて一番過酷な状況で開発をしたとのこと。ユーザーにとってはむしろ頼もしい。

走行前にオートモードのデフォルト値を出すイニシャライズを行うが、好みのスタート減衰力を入力するだけで、後は機械が勝手にやってくれる。二人乗りで32段階中、走り出しは“フロント8:リヤ10”。ちなみに数字が小さいほど硬くなる。

いよいよ試乗スタート。好みの乗り味やドライブフィールをメモリできるが、まずは“オートモード”を試してみた。直線が続く街中の道路では乗り心地はフラット。個人的な感想はどちらかといえば少し硬めなオートモードである点がブリッツらしいと思ったが、快適レベルから外れてはいない。ディスプレイ上では4輪の数値が頻繁に細々と変わるが、走行状況をウォッチしてくれていることがわかると、あとはひたすら普段通りの運転を心がけた。

すると、確かに最初のうちはより積極的に学習をし、しばらくすればGセンサーにかかる負荷から自動的に車両をフラットに保つ、ロールの少ない減衰量を見いだすようになるので、応答遅れの心配はなかったのだった。アクセルワークを激しくしてリヤが沈みやすい状態や、ブレーキングを強めに頻繁に行ってフロント沈みやすい状態をつくってみると、クルマは姿勢が動きやすいと判断をして減衰力を高めてフロントを柔らかめもしくはリヤを硬めにして安定させようとしていた。この制御はいまはブリッツにしかない。

「スペック DSCプラス」を使うと、ユーザーの好みに合わせた無限大のセッティングが可能に

チューニングメーカーのサスペンションキットをさらにチューニングするのはユーザーだ。高速道路でオートでは “フロント10:リヤ14”。全体的な乗り心地は常にスッキリ&フラットな印象だ。ただ路面のつなぎ目を通過する際には運転席では手元足下で、後席に座る人の印象もやや硬いという。道中、同乗者に助手席に座ってもらいあれこれ好みを探ってみた。

そしてマイベストセットは “フロント24:リヤ16”に決定。あくまでも好みです。良いか悪いかはわかりません。が、全体的に柔らかめなフィールが得られる上、リヤに対しフロントのほうが少し柔らかめのセットにすると前席から後席までシットリ&フラットな乗り心地が得られた。ある意味アルファードの車重の重厚感も味方につけた乗り心地とバランスのとれたハンドリングが得られる、と私は思った。大きくて2トン以上もあるアルファードのカッチリとした走行中の佇まいは常に健在だったが、硬めだと余計な音やコツンという入力が増える分、少し軽薄なアルファードになる。私は重厚でしなやかさも併せ持つドイツ車のようなイメージを追って、セットアップしてみた。なにより、これを探るプロセスが初めてのことで楽しかったのだ。

予めセットしておいたセッティング、前後が一番硬い“フロント1:リヤ1”のセットと、一番柔らかい“32:32”のセット、真ん中の“16:16”をあちこちで試してみた。もっとも違いがわかりやすかったのはワインディングで、なるほど硬いと走りやすい。まずサスペンションの無駄な動きが減り、ロールも抑えられ、次のアクションを行うまでの待ち時間が圧倒的に減る。リニアなドライビングが可能なのだ。ハンドル操作が効率良く行えれば、自然とコーナーの出口で再加速もしやすい。とくに複数のコーナーが続いたり、長くゆるく続くカーブなどで背の高い重たいアルファードながら一体感が増す感じがよかった。

上の写真がフロント/リアともに最も乗り心地の柔らかい“32”、下の写真が逆に最も硬い乗り心地となる“1”での走行。サスペンションを固めると車全体のロール量が減り、ミニバンとは思えない安定感!

ただし荒れた路面では乗り心地は素直にゴツゴツを伝えてくれる。柔らかすぎるとやはりゆ~ったりと走らせることしかできない。真ん中のセットはその点ワインディングを走るという点に注視して比べれば、実にバランスされていた。走行シーンに合せて、また同乗者の有無などでオリジナルの走行モードをメモリさせておくとよいかも。オートもいいけど、ママ用のセットアップを作ってあげたり、パパのゴルフ仕様とか家族でお出かけA(街のり)/B(高速)/C(山)パターンとか。減衰力調整は偉大だ!

クルマ好きも納得の「スペックDSCプラス」のマニアックな情報

車内からワンタッチで減衰力をコントロールできるこのDSCプラス。ちょっとマニアックな情報も補足しておきたい。実は最大96段階までの調整が可能なのだ。もともと32段階だけどこの32段階は擬似的にクリックをわかりやすく32段階つけているのであって、実際、シリンダーのなかでは無段階で調整が可能。ただそこを無段階と言っても車両の現状の状態がわかりにくい変化を見える化するべく32段階というクリックを設けて1~32段の調整を可能としている。

これにはステッピングモーターを使い、要は無段階の間を32段階、64段階、96段階と3つに細分化することでより32段と31段の間をさらに三分割することもできるという。細かい、細かすぎる。しかしここにもこだわりがあり、高性能なステッピングモーターを採用することで走行荷重や入力に負けず、選んだ段を保持する性能に優れる。だから96段階という細かい段も正確に保持できるのだ。

例えばサーキット走行される方で片側だけとかリヤだけとか、もう少し細かく減衰力を硬くしたいという場合にも96段はより有意義な性能になるという。でも、まあミニバンなどでは32段階のほうがわかりやすくて良いと思う。

“低価格”なのに“高スペック”、ユーザー目線を大切にするブリッツのものづくり

ブリッツ 企画部 エキスパート 小林徹さん

ところでこのサスペンションキットの価格のボリュームゾーンは14万~15万円。この価格は10年前にリリースしたときから変わってないのだそうだ。「このスペックで15万円前後は使いやすく、人気の秘訣なんです。プラス6万円で電子制御もつけられるようになるとは20年前は考えられなかったです」と小林さん。

一昔前はこの車高調整キットの相場は25万~30万円。すると今は極端に言えば半額に近いコスパになっている。サスペンションキット、車高調整キットだけでも非常にお買い得。ではなぜそこまで手頃な価格を可能にしたのかをうかがうと、製造方法の見直しや、部品の調達方法の見直しなどでコストに反映させたそうだ。

スペック面でも年々の技術の進化が向上を助けているのは間違いない。昔ならダンパーダブルゼットアールの“単筒式、全長調整式、減衰力調整”はいわゆるフルスペック。そこで2000年代前半だと20万~30万円は当たり前。果たして前述のようにコストが抑えられるようになったのならお客様にも反映したい、ということで価格もお安くしているのですって。グレードアップするというなかでは比較的リーズナブルに行えるのではないか、と小林さん。

ブリッツは走る、曲る、止まるを総合的に扱う専門メーカーだ。加速や減速、コーナリングと連動したパーツを開発している実績が今回の商品をより洗練させているようだ。初体験の私でも楽しく、快適、そしてそれは実は速さを求めることができるだけでなく安全にクルマを走らせることにも繋がる。少し車高を調整してさり気なく見栄え/走りにこだわり個性を主張するスマートなチューニングは万人に受け入れられやすくユーザーが増えているのも頷ける。現在ブリッツの商品が人気なのは、見た目のローダウンと快適さ、ときどきスポーツをするのもスペックを落とさない、インテリジェントドライビングバランスと洗練が魅力だからだろう。

BLITZ DAMPER ZZ-R SpecDSC PLUSの詳細はこちら

《飯田裕子》

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