中国など新興国に加え日米も減少…低迷した2019年の新車需要

中国は2年連続でマイナスに(上海市)
  • 中国は2年連続でマイナスに(上海市)
  • インド最大手のスズキも苦戦(ワゴンRのインド仕様車)

2019年の主要市場での新車販売結果が出揃い、中国やインドといった大型の新興諸国が大幅に落ち込んだほか、日米欧の伝統的なマーケットも小幅減少や横ばいレベルにとどまった。

各国・地域の販売実績は自動車工業会や販売業界団体などの統計による。2009年から世界最大の新車市場となっている中国は前年比8.2%減の2576万9000台と低調だった。中国の減少は2年連続で、しかも減少率は28年ぶりのマイナスとなった18年の2.8%から拡大した。

中国の落ち込みは米中貿易摩擦による経済成長の鈍化が影を落としている。政府が普及を進める電気自動車(EV)など新エネルギー車(NEV)も4.0%減の120万6000台となり、初めて前年実績を割り込んだ。EVは発火事故など品質面の問題や政府の補助金減額が響いており、20年に200万台としているNEVの目標も達成が遠のいてきた。全体需要が低迷するなかで日本勢ではトヨタ自動車とホンダが1割近くの伸びを確保し、いずれも最高を更新した。

中国に続く新興マーケットとして注目されるインドは、13.0%減の381万6000台と、2ケタの落ち込みで5年ぶりの減少となった。18年は国別で中国、米国、日本に続く4位だったものの、19年はドイツ(乗用車で396万台)に抜かれ、5番手に後退した。インドも経済成長が減速しているほか、金融機関が自動車ローンの審査を厳格化するといった動きも新車販売の足かせとなった。

○2019年の主要国・地域の新車販売
■中国 2576万台(▲8.2%)
■米国 1704万台(▲1.3%)
■EU 1534万台(1.2%)
■日本  519万台(▲1.5%)
■インド  381万台(▲13.0%)
*カッコ内は前年比増減率、▲はマイナス。EUは乗用車のみ 

一方、先進諸国でも米国は1.3%減の1704万7000台と2年ぶりのマイナスになり、世界3番目のマーケットである日本も1.5%減の519万5000台と3年ぶりに減少した。それぞれ好不調の目安となる1700万台、500万台ラインは維持したものの、力強さを欠いている。日本は10月の消費税増税や同月以降の台風被害の影響も大きかった。

EU(欧州連合)の統計(28か国・乗用車)は1.2%増の1534万台と、小幅だが6年連続で増加した。前半はマイナス傾向だったものの、20年には環境規制が強化されるため、9月以降は駆け込み需要による高い伸びが続き、12月には前年同月を22%上回った。足元の好調は一過性と懸念される。

各国の業界団体による20年の世界の新車需要予測では、中国が2%減、米国は1680万台規模(1%減)と2大市場でマイナスが続くと見られており、グローバルでは弱含みの推移が続く。中国政府は19年にNEVの販売が落ち込んだことから、20年で廃止予定となっているNEVへの補助金制度の延長を検討する方向となっており、巨大市場の苦戦ぶりを象徴している。

《池原照雄》

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