[お手軽 カーオーディオライフの始め方]スピーカーのチューンアップ

チューンアップツイーターの一例(フォーカル)。
  • チューンアップツイーターの一例(フォーカル)。
  • チューンアップツイーターの一例(フォーカル)。
  • コアキシャルスピーカーの一例(カロッツェリア)。

愛車のオーディオシステムの音を良くする楽しさを、気軽に満喫できる方法をさまざま紹介している。その第4回目となる当回では、「スピーカー交換」の前段階的な作戦を取り上げる。その名は「スピーカーの“チューンアップ”」。さて、これの具体的な内容とは…。

純正スピーカーが“フルレンジタイプ”なら特に、「チューンアップツイーター」の導入は効果的!

まず、「スピーカーの“チューンアップ”」とは何なのかと言うと…。これはつまり、「今使っているスピーカーを活用しながらグレードアップさせる作戦」、である。

具体的には3とおりのやり方がある。1つ1つ順番に紹介していこう。まず1つ目は、純正スピーカーがフルレンジタイプであった場合に特に効果を発揮するこちら、「チューンアップツイーターを導入する」という作戦だ。

最近は、純正スピーカーがセパレート2ウェイタイプである車種も増えているが、中にはツイーターの設定がない車種もある。そのようなケースでは、ドアに取り付けた1つのスピーカーユニットだけで低音から高音までの全帯域(フルレンジ)が再生されるのだが…。

しかしながら、これには少々無理がある。ある程度の大きさが確保されているドアスピーカーでは、高音をスムーズに鳴らすのが難しいのだ。なのでそこに、高音再生のスペシャリストである「チューンアップツイーター」をアドオンすると…。状況をガラリと変えられる。高音の再生状況を一気に改善させられるのだ。

さらには、「サウンドステージを高い位置に引き上げる」ことも可能となる。ツイーターを高い位置に取り付けられるので、サウンド全体を目の前から聴こえるようにできるのだ。

そのメカニズムは以下のとおりだ。高音は指向性が強いので音の出所が分かりやすい。その高音がダッシュボード上から発せられると、音の出所が分かりにくい中低音も、高音に引っ張られるようにして持ち上げられ、サウンドステージのリフトアップが果たされる、というわけなのだ。

気軽に導入して、音の変化を楽しむベシ!

ちなみに「チューンアップツイーター」は各種リリースされていて、その価格は大体5000円くらいから1万5000円くらいの間に収まることが多くなっている。ちなみに1万5000円の予算があれば、「セパレート2ウェイスピーカー」にも手が届くが、「チューンアップツイーター」の方が取付工賃が掛かりにくいので、トータルの予算は少なくてすむ。

また、とりあえずの“お試し”感覚で廉価なモデルを使ってみても面白い。リーズナブルなモデルでも市販品ならではのバリューを十二分に感じ取れる。

さて続いては、2つ目の「スピーカーの“チューンアップ”」作戦を紹介する。これも、純正スピーカーが「フルレンジタイプ」であった場合に特に効果を発揮する。その作戦とは、「コアキシャルスピーカーに交換する」というものだ。なお当作戦は、使っているスピーカーを活用するものではないのだが、通常のスピーカー交換よりはお手軽だ。「コアキシャルスピーカー」には廉価なモデルも多く、取り付け工賃的にも比較的に低予算で収まりやすい。ゆえに敢えて当作戦も、「お手軽な始め方」の1つとして取り上げてみる。

まずは「コアキシャルスピーカー」とは何なのかを解説しておこう。これは、ミッドベースの同軸上にツイーターが取り付けられたタイプのスピーカーのことを指す。ゆえに実質的には「2ウェイスピーカー」なのだが、一体化されているわけなので、取り付けるべきスピーカーユニットは左右で1つずつ。1つずつがそれぞれ低音から高音までの全帯域をカバーすることとなるので、「フルレンジスピーカー」とも呼ばれている。

で、「チューンアップツイーター」を導入するときと比べての「コアキシャルスピーカー」のメリットは、「ミッドウーファーもブラッシュアップできること」である。もしも「チューンアップツイーター」と価格的に大きく変わらないモデルを選んでも、こちらでは低音から高音まで全帯域に渡って音質を良化させられる。お得感は大きい。

「コアキシャルスピーカー」は、サウンドの一体感を出しやすい!

しかし、不利点もある。「チューンアップツイーター」を導入する際には、「音像を上げられる」こともメリットだったのだが、その利点は得られない。ツイーターも足元に設定されることになるからだ。でも、だからこその利点も発揮される。それは、音の出所が1箇所となるので、「サウンドの一体感を出しやすくなる」というものだ。

ちなみに高度なプロセッサーを用いれば、「セパレート2ウェイ」であってもサウンドを良好にまとめ上げられる。しかしそれが搭載されていないベーシックシステムではむしろ、「コアキシャルスピーカー」の方がサウンド制御はしやすい。「コアキシャルスピーカー」は、実はなかなかに使える。

さて最後に、3つ目の「スピーカーの“チューンアップ”」作戦を紹介する。それは、純正スピーカーが「セパレート2ウェイ」だった場合にツイーターだけを「チューンアップツイーターに交換する」、というものだ。

当作戦も効果はなかなかに大きい。まずは、高音の質を上げられることがメリットだ。廉価なモデルであっても純正ツイーターよりも高性能であることは間違いない。より艶やかでクリアな高音が得られるはずだ。

ちなみに先にも触れたとおり、「チューンナップツイーター」には「セパレート2ウェイスピーカー」に迫る価格のモデルもあるが、取り付け費用はこちらの方が低く抑えられやすい。つまり、導入のハードルが低いというメリットも発揮される。

さらには、純正ツイーターがダッシュボード上に上向きで埋め込まれている場合には、交換することでツイーターをダッシュボード上に出すことも可能となる。これにより、ツイーターが発する高音を直接聴けるようになるので、その点でもメリットが発揮される。窓ガラスの反射の影響が少なくなり、情報量の減衰も起こりにくくなるのだ。ちなみに、敢えて純正位置に埋め込める「チューンアップツイーター」も存在している。その場合はツイーターを出すことで得られるメリットは得られないが、見た目を変えずにすむという利点が発揮される。

さて、いかがだったろうか。後々に「スピーカー交換」をするにしても、まずは気軽にこれらの作戦にトライしてみても面白い。「モノを追加すること」または「モノを換えること」の効果を、気軽に体験できることは確かだ。ぜひ。

《太田祥三》

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