[お手軽 カーオーディオライフの始め方]簡単チューニングを楽しむ その2

“トーンコントロール”の設定画面の例(ダイヤトーンサウンドナビ)。
  • “トーンコントロール”の設定画面の例(ダイヤトーンサウンドナビ)。
  • “ラウドネス”等の設定画面の例(ダイヤトーンサウンドナビ)。
  • スピーカーが純正のままでも、簡単な調整機能を操作してみると、カーオーディオの楽しさに触れられる。
  • スピーカーが純正のままでも、簡単な調整機能を操作してみると、カーオーディオの楽しさに触れられる。

カーオーディオという趣味を、極々手軽に始められる方法をお伝えしようと試みている。前回は、超基本的なチューニング機能を活用する楽しみ方を紹介した。今回もそれに引き続き、もう一歩踏み込んだ“やってみると面白い”サウンドセッティング術を紹介していく。

「トーンコントロール」機能は、“ちょっとだけ”上げ下げすることに妙味アリ!

前回は、「バランス」と「フェーダー」の有効活用法を紹介したが、もう1つ超基本的な機能が存在している。その機能の名は「トーンコントロール」だ。今回はまずはこの活用法から解説していく。

ところで「トーンコントロール」とは、「バス(低音)」と「トレブル(高音)」、またはそれに「ミドル(中音)」を加えたそれぞれの音量を個別に変えられる、という機能だ。つまりは「簡易版イコライザー」だとイメージしてほしい。「イコライザー」というと普通は、5バンドとか7バンドとか多くのバンドを備えているが、「トーンコントロール」はそれがシンプル化されたもの、というわけだ。

このような質素な機能ではあるけれど、当機能も実は、積極的に触ってみると案外楽しめる。基本的な使い方は以下のとおりだ。好みに応じて「バス」だけちょっと上げたり「トレブル」だけをちょっと上げてみよう。こうすることで「音色に少々の味付けを加える」ことが可能になる。これだけでも聴こえ方は結構変わる。

なお、極端な操作は避けた方がいいだろう。「ちょっとだけ」、これがコツだと心得たい。例えばもしも「バス」と「トレブル」の両方を目一杯上げてしまえば、トーンバランスが不自然になる。

また、“下げてみる”のもアリだ。上げる方向で操作したくなるのだが、例えば高音を強調したいと思ったときに「バス」を下げると、意外と狙いどおりの音になったりもする。高度なチューニング機能が搭載されている機器を使う場合でも、“引き算チューニング”は多用される。出過ぎているところを下げるというアプローチもあることを「トーンコントロール」で経験しておくと、高度な機器を使うときに役に立つ。参考にしていただきたい。

「トーンコントロール」は、大音量時&小音良時にも力を発揮する!?

そして「トーンコントロール」には、まだ他の使い道もある。大音量で聴くとき、そして小音量で聴くとき、この両方の局面でも力を発揮するのだ。

というのも、大音量で聴くときと小音量で聴くときでは実は、トーンバランスの感じ方が変化する。音量を上げると高音と低音がうるさく感じられたり、逆に音量を下げていくと高音と低音が特に聴き取りづらくなっていく。なので大きな音で音楽を聴く場合には「バス」と「トレブル」を少々下げてみよう。そうした方が聴きやすくなることがあるのだ。逆に小音量で聴くときは、「バス」と「トレブル」を少々上げてみよう。そうするとトーンバランスがナチュラルになる。試してみよう。

なお、大音量で聴くときには別の観点でも「バス」を下げた方が良いときがある。「バス」を下げた方が良いときとはズバリ、「鉄板がビビったとき」だ。

鉄板をビビらせる原因は、「スピーカーの裏側から発せられる低音」だ。音量を上げると裏側から出る低音のエネルギーが増し、ドア内部の鉄板を共振させてしまうのだ。なのでもしもドア内部からビビリ音が聴こえてきたら、試しに「バス」を下げてみよう。そうすることでビビリ音を緩和させられたりもするのだ。低音好きな方にとっては「バス」を下げるのは不本意かもしれないが、好きな低音が多少弱くなっても、ビビリ音が減った方が心地良いと思うのだが、いかがだろうか。試す価値は小さくない。

ところで「ラウドネス」という機能も多くのメインユニットに搭載されているのだが、当機能は実は「トーンコントロール」と類似した役割を果たすので、ここで併せて解説しておきたい。

当機能は、「小音量時に聴こえにくくなる低音と高音を持ち上げる機能」だ。先ほど、小音量で聴くときは「バス」と「トレブル」を上げると良いと説明したが、「ラウドネス」はそれを自動で行ってくれる、というわけだ。

しかし敢えて「ラウドネス」はオフにして、「トーンコントロール」で対処するのはアリだ。その方が自分好みの補正ができるし、積極的に操作を楽しめる。

簡易的な「イコライザー」も、触ってみると案外楽しい!

続いては、「イコライザー」の活用方法を解説していこう。当機能は場合によっては搭載されていないケースもあるが、もしも搭載されていたらしめたものだ。ぜひとも積極的に触ってみよう。そうすることで「カーオーディオを楽しんでいる」という気分を一層味わえる。

ところで「イコライザー」は、「音色に味付けを加えるための機能」だと思われがちだが、実は主たる役割はむしろ他にあったりもする。

ちなみに“イコライズ”という言葉には、同じにする、とか、均等にする、という意味がある。で、カーオーディオユニットに搭載されている「イコライザー」も、「録音されたとおりの音にする」とか「乱れた特性を均一に戻す」という役割も背負っているのだ。ハイエンド機に搭載されている「イコライザー」は、そのような目的で使われている。

ただし、5バンドとか7バンドくらいの簡易的な「イコライザー」では、そのような使い方はし難い。バンド数が少ないのでざっくりとした調整しか行えないからだ。なので、搭載されているのが簡易的なタイプであった場合には、「補正」的な使い方より、「音色に味付けを加える」という観点で使った方が楽しめる。

なお、極端な操作はNGだ。「トーンコントロール」と同様に、極端な操作を実行すると、元々の音との乖離が大きくなっていくばかりだ。

そして「トーンコントロール」と同様に、“引き算”のチューニングにもトライしてみよう。出過ぎているところを押さえるという観点を持つと、案外聴きやすいサウンドが作れたりもする。

なお、「イコライザー」には“プリセットデータ”が設定されていることが多い。これも案外活用できる。「プリセットデータを“テンプレート”として活用する」と、「イコライザー」の操作に慣れることが可能となるのだ。プリセットされている「イコライザー」データを元にして、そこから微調整を加えてみよう。そうすると、操作による音の変化の傾向が掴みやすい。

ところでこれをする際には、“戻す”方向で調整することがコツとなる。振り幅を大きくする方向で操作するバンドもあっても良いが、基本的には“戻す”方向で触った方がサウンドがまとまりやすい。参考にしていただきたい。

今回はここまでとさせていただく。次回もお手軽にカーオーディオを楽しめる方法を紹介していく。お楽しみに。

《太田祥三》

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