ルノーの名車、「キャトル」をEV化…オープンコンセプトカー

ルノー4は30年間に800万台が生産された大ヒット作

サイドドアも廃した爽快なオープンボディ

超小型EVのパワートレインを搭載

ルノー e-プレネールと ルノー4プレネール
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  • ルノー e-プレネール
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ルノーグループは11月8~10日、フランスで開催されたクラシックカーショー、「サロンエポックオート」に、EVコンセプトカーのルノー『e-プレネール』(Renault e-PLEIN AIR)を出展した。

ルノー4は30年間に800万台が生産された大ヒット作

同車は、ルノーの名車、『4』(キャトル)のEVを提案したコンセプトカーだ。ルノー4は1961年に発表された。コンパクトボディに広い室内空間を備えていたのが特長だった。あらゆるシーンで使い勝手の良いルノー4は、20世紀後半のカーライフを代表する車のひとつだ。1961年の発売から1992年までの30年間に、800万台を超えるルノー4が、ルノーのフランス工場から世界各地の顧客に届けられた。とくに、フランスでは乗用車史上最多の生産台数を記録し、「クルマのジーンズ」と称されている。

ウーマンリブ運動が隆盛した1963年には、有名女性誌『ELLE』の読者に48時間、ルノー4を貸し出すという「エル・オペレーション」を実施した。これは、人の未来のビジョンを描くルノー哲学を象徴するイベントとして知られている。このルノー4のエスプリを現代に引き継ぐモデルが、『カングー』とされる。

ルノー4は、その成功のおかげで、さまざまなオプションやコラボレーションモデルが数多く存在している。フランス国内では、郵便局や憲兵隊(国家警察)に納入された。フランスの郵便局向けの車両は、「La Poste(郵便局)」と刻まれた黄色いボディが特長で、フランス映画にも起用されている。

サイドドアも廃した爽快なオープンボディ

『プレネール』と呼ばれるモデルも、そのひとつだ。1960年代に開発されたプレネールは、ルノー4をベースにオープン化したモデルだった。サイドドアも廃した爽快なオープンボディが特長で、ルーフには簡易的なソフトトップが装備されていた。

ルノーのクラシックカー部門が開発したルノー e-プレネールは、1960年代のプレインエアを、現代のEV技術で再現したコンセプトカーだ。ルノーのクラシック部門とデザイン部門が協力して、開発が進められた。

超小型EVのパワートレインを搭載

e-プレネールには、ルノーの超小型EV、『トゥイジー』のEVパワートレインを搭載している。トゥイジーは2010年秋、フランスで開催されたパリモーターショー2010において、市販バージョンが初公開された。超小型のシティコミューターEVで、2011年末にフランスで発売された。

トゥイジーの最大の特徴は、コンセプトカーをほぼそのまま市販に移した大胆なスタイリングにある。真横から見ると、キャビンは六角形のデザイン。ボディから独立したサイクルフェンダーも、ユニークな試みだ。サイドドアは、上方に跳ね上げて乗り降りする。乗員はタンデムに座り、定員は2名だ。ボディサイズは、全長2337mm、全幅1191mm、全高1461mm、ホイールベース1684mm。スマート『フォーツー』と比較すると、トゥイジーはひと回り小さい。最小回転半径は3.4mと、取り回しの良さが際立つ。

EVパワートレインは必要最小限だが、バッテリーを含めて450kgの軽量ボディには必要充分以上の性能を発揮する。e-プレネールには、一部の国では運転免許なしで乗れる「トゥイジー45」のEVパワートレインがベース。最大出力9hp、最大トルク5.8kgmを引き出す。最高速は45km/hだ。リチウムイオンバッテリーは蓄電容量が6.1 kWh。1回の充電で最大100kmを走行できる。充電は家庭用の220Vコンセントから行い、3~4時間で完了する。

《森脇稔》

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