マツダ 藤原副社長「販売の質の向上を継続」…第2四半期営業利益は14%減

決算を発表する 藤原清志マツダ副社長
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  • マツダ CX-30(欧州仕様)
  • ボーズサウンドを搭載した新型『Mazda3』
  • 新型 Mazda3 に搭載されるSKYACTIV-X エンジン

マツダが11月1日に発表した2020年3月期の第2四半期(4~9月期)連結決算は、営業利益が前年同期比14%減の258億円となった。海外の主力販売先である米国と中国で販売が伸び悩み、為替の円高影響や米国工場建設などの費用負担も収益を圧迫した。

第2四半期のグローバル販売は8%減の73万1000台だった。このうち米国は9%減の13万7000台、中国は18%減の10万9000台となった。新世代商品の第1弾である新型『マツダ3』を投入しているものの、両国ではインセンティブを抑制する取り組みを継続していることもあって、販売増への貢献はまだ十分でない。日本は4%減の9万8000台。ただ、これら主要地域ではいずれも第1四半期の販売状況よりは上向き、収益も改善している。

営業利益段階での減益要因は、円高による為替変動がもっとも大きく375億円となった。期中の平均レートは1ドル109円で、前年同期からは2円の円高だった。ユーロや豪州ドルなどマツダにとって影響の大きい通貨も円高になり、それぞれ100億円強の減益要因となった。

また、パワーステアリングの訴訟に関連した一時的な品質費用や新工場投資などがあったものの、固定費の見直しによって35億円の減益要因に抑えた。さらに、インセンティブなど販売費用の抑制と単価改善への取り組みで販売台数減の悪化要因をカバーし、312億円の増益効果につなげている。

純利益は30%減の166億円だった。昨年の第2四半期は、18年7月に発生した西日本豪雨による生産減で大幅な減益となっていたので、今年はその影響も勘案すると、収益レベルは低い。

通期のグローバル販売計画は従来比6万8000台減の155万台(前期比1%減)に見直した。通期業績予想も下方修正し、営業利益は従来比500億円減額の600億円(27%減)、純利益は370億円少ない430億円(32%減)とした。

記者会見した藤原清志副社長は、足元の収益力状況について「昨年の西日本豪雨災害時から1台1台を大切に売ろうという考え方で販売を進めてきた。その結果、販売の質の向上につながっている」と評価した。そのうえで、通期業績の実現に向けては「台数を追って質を悪化させるのでなく、この状態を維持しながらできる限り、台数増につなげていきたい。質の向上への取り組みを長く長く継続していきたい」と強調した。

《池原照雄》

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