日産、金型不要のボディーパネル成形技術を公開…11月にもアフター部品の商品化スキーム

日産 対向式ダイレス成形
  • 日産 対向式ダイレス成形
  • 日産 対向式ダイレス成形によるリアパネル(旧型スカイライン用)
  • 日産 坂本秀行副社長
  • 日産 対向式ダイレス成形用の成形工具

日産自動車は10月2日、少量生産のボディーパネル部品に適した生産技術である「対向式ダイレス成形」を開発し、神奈川県横須賀市の同社研究施設内で報道関係者に部品の成形加工を実演公開した。

棒状の成形工具を装着した2台のロボットがパネルを徐々に変形させて成形する「インクリメンタル成形」と呼ぶ技術を実用化した。2つの成形工具を制御することが難しく、これまで実用化の例はなかったという。日産は開発の着手から5年で実用化に漕ぎつけた。

量産車向けのボディーパネルは、膨大な投資や長期の開発期間が必要な金型を使ったプレス加工で行う。ボンネットなど大型の部品の場合、金型の開発期間は1年程度で、費用は数千万円を要する。また、加工には巨大なプレス機械も必要だ。

日産が開発した技術は、一部の工程で簡素な構造の金型を使うケースもあるが、基本は成形工具とロボットおよび冶具で成形ができる。加工には対象部品の3次元データが必要であり、その制作なども含めて生産までの期間は、わずか3日から4週間程度で済む。冶具やデータ制作の費用も数十万円から100万円程度という。

実用化のひとつの原動力になったのはロボットに装着する成形工具の改良であり、「ダイヤモンドをコーティングしたオリジナルの形状」(車両生産技術開発本部の冨山隆ダイレクター)を採用している。すでに生産期間が終了した補修用部品や、顧客が要望するオリジナルのボディーパネルなど少量生産のニーズに対応していく。日産は早ければ11月には、この技術で生産したアフターサービス用の部品を商品化する事業スキームを決める計画だ。

また、現状より大幅な低コストでボディーパネルの生産ができるため、将来は量産車向けの活用も狙っていく。生産部門を担当する坂本秀行副社長は「画期的な技術であり、デザインの自由度も高まる。(販売量の大きくない)国内向けモデルには適用できるのではないかとの野望をもっている」と語った。ただし、そうした量産モデルへの採用には「加工スピードを大幅に引き上げることが課題」(坂本氏)であり、実現のハードルはまだ高い。

《池原照雄》

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